2010年06月02日
シェリングのパガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第4番
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技術も素晴らしく、コモンセンスのある名演として万人に薦められるのは今は亡きシェリングの盤。
1975年、独奏者57歳の録音で、我を張ることなく、作品そのものの情緒を聴かせてくれる。
パガニーニのヴァイオリン協奏曲の全曲録音はやっていないシェリングだが、第3番を蘇演したほどパガニーニへの思い入れは深かった。
真摯に音楽と対決し、腕にまかせて弾きとばさず、じっくりと訴えかけるパガニーニだ。
彼が弾くパガニーニの協奏曲は技巧展示曲の域を脱し、音楽作品としての魅力をたたえているのが特色。
美音を駆使、難技巧をそれと感じさせないで鮮やかに克服している。
シェリングは全6曲中の4曲を録音しているが、代表作と言うべき第1番に、彼の持ち味のすべてが集約されている。
併録のヴァイオリン協奏曲第4番でもパガニーニ独特の抒情性を歌い上げる気品ある1枚。
彼には138年ぶりに蘇演をはたした第3番の歴史的名演もあるが、それに劣らずこの演奏はシェリングのパガニーニを強く印象づける。
旋律はもとより技巧的な箇所の隅々まで美音で丹念に弾きまくる。
かくも美しく"音楽的"に聴かせる演奏はあっただろうか。
第1番の終楽章の驚嘆すべき弓の使い方、第4番の第2楽章のフラジオレット奏法の美しさなど、パガニーニをこれだけ流麗にまとめあげる完璧なテクニックと音色を持ったソリストは他にいない。
ギブソン指揮のオケも流麗に鳴っており、大変美しく、イタリア的雰囲気をかもし出している。
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