2010年06月05日

ミケランジェリ/ショパン・リサイタル


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



《バラード第1番》や《スケルツォ第2番》、《マズルカ》10曲などを収録したショパン・アルバム。

実にふくよかなショパンである。

単に音の美しさということではなく、ミケランジェリの表現そのものに惚れ惚れとしてしまう。

音と音が戯れあいながら自在に息づき、しかも作品の枠内に止まってその役割を演じきっているが、ひとつひとつの響きの情報量は極めて大きいのだ。

ここに聴くショパンは決して情緒的な性格ではないけれど、磨き抜かれた美しい音のつらなりはすばらしいもので実に気品豊か。

1音1音が珠玉のようだ。

ここでミケランジェリは彼の論理に貫かれた完璧な音の世界を構築している。

10曲のマズルカは土俗的な舞曲からは程遠く、ショパンがそこに盛り込んだ豊かな幻想性、ディテイルの面白さを突き詰めることによって精妙なガラス細工のような演奏を実現。

バラード第1番でみせる音の美しさも感嘆するばかりだ。

すべての音は完全にコントロールされながら、互いに生命を持っているかのように戯れあう。

しかもしっかりと全体を見通した設計も万全で、音楽は劇的な大きな流れを作り出していく。

そして、最後のスケルツォ第2番ではミケランジェリはダイナミックな表現も披露する。

いずれも名演だが、とりわけマズルカに聴くニュアンスが絶妙である。

音の理論に沿い、そして超える、希代の音の操り師の至芸である。

ピアノがもつ表現能力のひとつの頂点を極めた演奏といえよう。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 19:21コメント(0)トラックバック(0)ショパン | ミケランジェリ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

よろしくお願いします(__)
Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ