2010年06月27日

ミケランジェリ&ジュリーニのベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番&第5番「皇帝」


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1979年2月ウィーンのムジークフェラインザールでテレビ放送のために行われた特別演奏会のライヴ録音。

ミケランジェリがもっとも脂の乗り切った時期に録音されたライヴ。

実に健康的なベートーヴェンだ。

第3番では、ジュリーニのテンポは遅めで引き締まった表情をもち、しかも晴れやかな表情もあって、魅力的だ。

ミケランジェリのソロは、タッチが明確で1つ1つの音が美しい余韻を伴っていて全体が清々しい。

これは感覚的な美しさというべきもので、この曲の古典的な様式とロマン的な様式の接点を見事に捉えている。

ピアノの音の純粋な美感をこれほど感じさせる演奏も少ない。

「皇帝」は、たいへんスケールの大きな演奏で、しかも細部の彫琢も行き届いている。

ミケランジェリのピアノはデリカシーの強調は一切なく、思い入れとは無縁の表現で、アクセントの強い男性的なフォルティッシモを駆使し、スケール雄大に、骨太に、颯爽と進める。

ミケランジェリの良さは、そのようなスタイルをとりながらも落ち着きと風格を保ち、音色自体から生理的な喜びを与えてくれる点。

高音は夜空に打ち上げられる花火のきらめきに、低音は打ち上げ音に、またオーケストラ伴奏は大群衆のどよめきに似て、ひびきと光の饗宴を楽しませてくれる。

とくに高音のきらめきは磨き抜かれた艶をおび、仕掛け花火がつぎつぎに炸裂してゆくようで、眼のさめる思いをさせられる。

アポロン的名演とでも言おうか、ここには理想主義的な「エンペラー」像がある。

希代の名演であり、文句のつけようがない。

ライヴなのに音質もバランスも極上で、今までのどの「エンペラー」よりも素晴らしい。

以前の録音に比べても、59歳のミケランジェリには、落ち着きと貫録が加わり、アポロン的清澄度は一層高まったのである。

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classicalmusic at 18:16コメント(2)トラックバック(0)ミケランジェリ | ジュリーニ 

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コメント一覧

1. Posted by にゃん駅長   2010年07月06日 01:25
5 はじめまして。
にゃん駅長と申します。トラックバックありがとうございました。ミケランジェリ&ジュリーニの「皇帝」は私も大好きです。この先、このような名演はなかなか無いのではないかと思うほどです。私は聴き始めたばかりの素人ですが、とても詳しいのでビックリしました。素晴らしいです。
2. Posted by 和田   2010年07月06日 04:03
にゃん駅長さん、コメントありがとうございます。
ミケランジェリには壮年期にスメターチェクと共演したライヴが出てますが、こちらもいっそうミケランジェリ独特の磨き抜かれた音色が圧倒的なテクニックと相まって、聴き手に襲いかかってくるような凄演です。
今となっては入手困難ですが、一応おすすめしておきます。
では。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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