2014年04月07日
コープマン&アムステルダム・バロック管のモーツァルト:交響曲第25番、第29番&第33番
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古楽器アンサンブルの演奏で何と言っても面白いのはコープマン盤だ。
管と、ごく小編成の弦が対等に渡り合い、これまで聴いたことがない絶妙のバランスで、作品に新鮮な光を当てている。
音色も、リズム、アーティキュレーション、フレージングもユニークで、各声部の思いがけない対話や主張を楽しむことができる。
コープマンの指揮する演奏はどれも生き生きとして、音楽をする喜びに溢れたものばかりだが、古典派のモーツァルトの音楽にはその意味においてぴったりと言えるだろう。
古典の枠組みの中ではあるが、モーツァルトの音楽は常に感情がその中に渦巻いている。
オペラでは言うまでもないが、交響曲、特に数少ない短調である第25番においてもしかりで、この演奏にはコープマンならではの情動の揺れというものが明らかにされている。
冒頭のリズム、低声部と上声部のシンコペーションのズレによって激しい状態がつくり出されるが、ここだけを聴いてもコープマンの音楽が他と比べても、その揺れが抜きん出ていることがわかるだろう。
コープマンは通奏低音のチェンバロを弾きながら指揮をするが、そのためいかにも鍵盤楽器らしいバランス感覚があり、しかも新鮮だ。
3曲とも洗練された優雅な表現だが、第33番の第1楽章に見られるようにリズムの刻み方が独自であり、合法則的である。
したがってどの曲にも生き生きとした躍動感と活力があるが、一方歌うべきところでは柔軟な表現が美しく、味わい深い。
モーツァルトの様々な仕掛けが次々微笑みを投げかけては、またすぐ新たな愉悦の瞬間が待っている。
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