2011年01月04日
ベルガンサ/スペインを歌う
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テレサ・ベルガンサは、ご承知のとおり、20世紀末までわずかの老いも見せず活動を続けた"世界一のメゾ・ソプラノ"(カラヤンの言)である。
ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス、モンセラート・カバリエ、ピラール・ローレンガー等々、並みいるスペインの先輩・同僚たちの中で、とりわけ人々に感動を与え、大きな説得力の源ともなるのは、ベルガンサの歌唱の精確さであろう。
常にきりりとして情に溺れないベルガンサだが、さらに私たちを感動させるのは、彼女の歌がそれでいながら少しも理知的な冷たさには陥らず、必要なだけの情緒、魂のほてりは、しっかりと伝わってくることである。
そうした芸風は、得意とするモーツァルト、ロッシーニをはじめとするオペラの数々、古今諸国の芸術歌曲にも変わりなく聴かれるが、とくに彼女の大切にしているジャンル、故国スペインの歌を手がける場合には、際立って鮮やかに現れる。
ここに選んだCDは、彼女が1970年半ば、ギターの巨匠ナルシソ・イェペスと共演の機会を得て録音したファリャ《7つのスペイン民謡》(イェペスによるギター伴奏版)、音楽家としても才能を発揮した夭逝の名詩人ガルシア・ロルカの《13のスペイン古謡》を中心に、F・ラビーリャのピアノ伴奏によるトゥリーナ、モンサルバーチェなどの歌曲も加えた1枚。
すでに言ったとおりのベルガンサならではの魅力・風味に満ちていながら、それにのみ頼らない真の芸術的歌唱に貫かれている。
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