2010年07月27日
リパッティ:ブザンソン音楽祭における最後のリサイタル
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
レコード史上記念碑的な、不治の病で倒れた天才ピアニスト、リパッティの死の直前、最後の演奏会のライヴ録音。
最悪の体調でのステージだったはずなのに、その演奏は高い気品をたたえ、感動的なまでに純粋で崇高な美しさに満ちている。
録音時期が古いため、音質の点で多少物足りない思いがするが、それをものともせずに底光りする輝きをもって聴き手に迫ってくるのが、リパッティの音楽である。
微妙で繊細な息づかいの中から、豊かな詩情がほのかに漂ってきて、表情の冴えも散見される。
ショパンのワルツは、作品番号順ではなくリパッティの考えた独自の曲順で、全14曲が続くはずだったが、彼はついに力尽き最後の1曲(第2番)を弾くことができなかった。
"哀感を込めた華麗"といいたいようなショパンのワルツが、しなやかに、錚々と繰り広げられ魅力的だ。
このステージはまさにリパッティの告別演奏会となり、彼は2か月ほど後に33歳の若さで世を去ってしまったのである。
その悲劇的なエピソードと共に、半世紀を経た今日も名盤として語り継がれているこのアルバムは、今後も長く輝きを失わないだろう。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。