2010年08月27日
ベーム最後の録音/ベートーヴェン:交響曲第9番
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
ベートーヴェンの「第9」には様々な録音があるが、しかし、「第9」にはどうしたって堂々としてもらいたい、という向きには、これ以上堂々としようがないという演奏を紹介しよう。
ベームの"白鳥の歌"となった最後の録音である。
ベーム最後の録音にふさわしい圧倒的な「第9」であり、彼はここで自分の音楽的人生を総決算しようとしたのではないか。
彼が最も多く指揮した自信作のひとつだけあって、実に堂々とした豪壮雄偉な演奏だ。
ベームはベートーヴェンの伝統的な演奏様式に深く根ざした、しかも強靭な気力をもって作品の劇性と音楽的個性を両立させている。
冒頭からきわめて遅いテンポがとられており、ひとつひとつの音に心がこもっている。
ゆったりとしたスケールの大きい表現で、第3楽章の美しさは格別だ。
ベームはこのように規模の大きな作品になればなるほど、その偉大な風格を反映させる。
ベームはこの1曲で、晩年の最後の境地をことごとく表出したともいえるような、輝くばかりの精神の美しさを感じさせる音楽だ。
この演奏は猛烈に遅い。おそらく同曲でいちばん演奏時間の長い録音だろう。
厳しい造形力はが緊張力を持続させ、大物歌手と大合唱をそろえた終楽章で実直に音楽が積み重ねられていくさまは、目頭が思わず熱くなるほど感動的である。
ウィーン・フィルの響きは清澄このうえなく、独唱・合唱とも見事で、まさに感動的と形容したい。
ベームの最後の録音だからというわけではなく、この演奏は世紀の超名演と確信している。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。