2010年07月18日
フスのハイドン:序曲全集(第1巻、第2巻)
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マンフレート・フスとウィーンのハイドン・シンフォニエッタは、ヨーゼフ・ハイドンの珍しい器楽曲を体系的に録音しているが、この序曲集も非常にありがたいものである。
第1巻は、1762年の《アチデ》から1777年の《月の世界》まで、オペラやオラトリオの序曲10曲を収めている。
交響曲での創作で培った多様な様式は、当然ながらこれらの序曲にも反映されており(当時の感覚では序曲も交響曲の一種)、交響曲に比べて序曲があまり演奏されていない状況が非常に不当極まりないことだという認識を与えてくれるのである。
ウィーンの古楽オーケストラとは言っても、若い世代を中心としたメンバーのため、その感覚は新しさに満ちている。
第2巻でも、1777年のニ長調序曲(交響曲第53版の代替用フィナーレ)から、オラトリオ《十字架上の7つの言葉》、《天地創造》《四季》の導入音楽も収録している点はコンセプトが徹底している。
この巻に含まれる序曲は、《哲学者の魂》など全曲盤が存在する曲では、ファースト・チョイスとは言えない演奏であり、選択の余地なくファースト・チョイスとなる第1巻とは事情が違う。
そうは言っても、序曲だけをまとめたこのディスクの存在は、ハイドンの交響曲を愛する聴き手にはやはり貴重なものなのである。
しかし、これだけの水準で序曲を聴かされると、本編のオペラやオラトリオを聴きたくなってしまうのが辛い。
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