2010年07月24日
シェリング&ルービンシュタインのブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集
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シェリングとルービンシュタイン共演による1960年代の名全集。パールマンとアシュケナージ盤が新世代を代表する全集なら、こちらは旧世代を代表する全集といえよう。
シェリングを世界の檜舞台に引っ張り出したのはルービンシュタインその人だった。
1954年、ルービンシュタインはメキシコを演奏旅行するが、そのときメキシコに帰化して活動していたシェリングと出会った。
2人は音楽的に認め合えただけでなく、ともにポーランド出身で亡命生活を余儀なくされている者同士だった。
ルービンシュタインはアメリカにシェリングを紹介し、名刺代わりにRCAに一連の録音を行なった。
その中の最も大きな成果がこのブラームスのソナタ集である。
19世紀的なサロンの空気を知るルービンシュタインのロマンティックなピアノに乗って、シェリングがブラームスの旋律美と憂愁を端正に、かつ情熱的に歌い上げている。
録音時、シェリングは42歳だったが、世間的にはまだ新鋭。ルービンシュタインは73歳に手が届く巨匠であった。
そんないきさつから、ここではルービンシュタイン主導の演奏が繰り広げられる。
シェリングは大家ルービンシュタインを前にして、多少引っ込み思案気味。
端正な美音を誇るシェリングだが、この時期の彼は、巨匠を前にしてまだ多少かしこまっている印象を受ける。
例えば第1番第3楽章がそうだ。
しかしシェリングが生み出す端正な表情は、ルービンシュタインの絶妙なサポートのもとで、ブラームスの古典的な気質をクローズアップしている。
そこを評価したい。
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トラックバック一覧
1. フォルテピアノ数寄/ポルタメント好き 雨を楽しむ「雨の歌」 [ 一致する不一致 ] 2010年07月24日 21:30
2年前くらいに買った1枚。この時季、なかなかよろしいかと。
[[attached(0,class=popup_img_352_313 width=300 height=267)]]
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集
トーマス・アルベルトゥス・イルンベルガー(vn)/エフゲニー・シナイスキー(P)
ヴ...
コメント一覧
1. Posted by Romanesca 2010年07月24日 21:55
このたびはトラックバックありがとうございました。
こちらでもトラックバックバックさせていただきました。
シェリング=ルビンシュタインの盤は聴いたことがありませんでした。面白い組合せだと思いましたが、二人にそんな成り行きがあったとは知りませんでした。
今度トライしてみたいと思います。
こちらでもトラックバックバックさせていただきました。
シェリング=ルビンシュタインの盤は聴いたことがありませんでした。面白い組合せだと思いましたが、二人にそんな成り行きがあったとは知りませんでした。
今度トライしてみたいと思います。
2. Posted by 和田 2010年07月25日 15:25
Romanescaさん、TB及びコメントありがとうございます。
この盤は持っていて損はない演奏です。ぜひ聴いてみて下さい。
この盤は持っていて損はない演奏です。ぜひ聴いてみて下さい。