2010年11月09日

シノーポリのヴェルディ:運命の力


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非常に充実した、聴きごたえのある演奏だ。

シノーポリの強い意思のもとに、オーケストラ、合唱団、歌手たちが一体となって作り上げたドラマが、まことに見事である。

シノーポリの指揮のもと、音楽はごく自然に、しかも彫りの深い性格的な把握と鮮やかな表情を保持しながら展開され、悲劇としての統一の中にまとめあげられている。

ことに、つぶのそろった独唱陣の歌唱はそれぞれに素晴らしく、流麗でしかも悲劇的な性格を表出したドン・アルヴァーロのカレーラス、円熟した歌唱を聴かせるカルロのブルゾン、美しく清純でのびやかな声のレオノーラのプラウライト、切れ味が鋭く個性的で卓越した歌唱の光るプレツィオシッラのバルツァなど、申し分ない。

1980年代半ばのシノーポリの登場は衝撃的だった。

ヴェルディの中でも、初期などのあまりメジャーではないオペラで聴かせたその斬れ味は、ともすれば保守的な伝統や慣習に傾きやすいイタリア・オペラの演奏に、新たな地平を開くことが期待された。

この《運命の力》も、ミトロプーロスが得意としていたことでも窺えるように、慣習的な解釈とは別の切り口から鮮烈なドラマを引き出すことの可能なオペラである。

その意味で中期以降のヴェルディ作品では、シノーポリにはうってつけのものだった。

惜しむらくは歌手陣の線が細いことだが、このあたりは複雑な要素の絡みあう、オペラという形式自体の難しさだろう。

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classicalmusic at 18:31コメント(2)トラックバック(0)ヴェルディ | シノーポリ 

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コメント一覧

1. Posted by ミカエラ   2010年11月13日 15:49
4  ヴェルディをシノ−ポリ指揮で聴くのは、私も大好きです。
彼の作品に陰影を与え、それぞれのアリアに人格を吹き込むようなオペラに仕上がりますね。
 本当に音楽の深さに心が囚われていく、悦びに浸ることができます。
 最も好きなリゴレットのCDも、やはり彼の指揮で、レオ・ヌッチが、リゴレットの悲哀をしみじみと表現しきっています。是非、この運命の力も聴いてみたいです。

余談ですが、運命の力序曲は、ジュレミ−・アイアンズ、グレン・グロ−ズ主演の映画「運命の逆転」で効果的に流れています。
2. Posted by 和田   2010年11月13日 16:33
ミカエラさん、早速のコメントありがとうございます。
私もシノーポリのヴェルディは大好きです。「リゴレット」も、シノーポリ盤がベストだと思います。
ただ、リゴレット役はヌッチではなくてブルゾンではなかったでしょうか? ヌッチは確かシャイー盤だったと思います。

「運命の力」序曲は、トスカニーニの映像が残されていて、演奏も最高です。

またのコメントお待ちしております。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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