2010年11月08日
シノーポリのヴェルディ:ナブッコ
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急逝したイタリアの名指揮者シノーポリの初めてのオペラ録音であった。録音時37歳、1981年のウィーン国立歌劇場デビューで大成功を収めた翌年に録音された。
シノーポリは、個性的ともいえるテンポや緩急のとり方などで、まったく新鮮なヴェルディのオペラを作り出している。
シノーポリはアゴーギグを動かしながらも、ヴェルディのスコアの粗削りな音楽の中に託されたドラマのメッセージを浮かび上がらせる。
シノーポリの表現は何ともユニークで新鮮な面白さを持っており、緩急自在なテンポ、ルバートの多用などに独特のものを示すが、それらは彼の解剖学的な分析・構成によると思われ、聴きなれた因習的ヴェルディ演奏とは違う新鮮な効果を生み出している。
シノーポリの熱い血潮の洗礼を受けていない音は、1音たりともない。
恐るべき熱気と気迫、そして律動と色彩に満ち満ちた演奏は、聴き手の心に強く迫ってくる。
カプッチッリのタイトル・ロールは、圧倒的な声の威力を抑制しつつ、見事な心理ドラマを歌い上げていき、ずばぬけた声の威力と的確で雄弁な表現力で深い感動を味わわせてくれる。
ドミンゴのイズマエーレも贅沢な配役。
ディミトローヴァのアビガイレも当時を代表する存在であった。
ネステレンコのザッカリア以下歌手陣も粒揃い。
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