2010年08月03日
ヨッフムのブラームス:交響曲全集
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ブルックナーの全集と並ぶヨッフムの交響曲名盤。この全集が彼のEMIへのデビュー録音だった。
晩年のヨッフムはドイツ・ロマン派の交響曲に多くの名盤を残した。
ブルックナーはその代表であろうが、このブラームスもそれに劣らぬ名盤と言えよう。
悠々たる豊かな流れの中にロマン的情緒をたっぷりと注ぎ込み、きわめて味わい深い出来映えとなっている。
基本的にはドイツ正統派としての構築性ある骨組みの確かな演奏であるが、晩年のヨッフムにはそれは当然身に染みついたものとして、さらにそこからブラームス特有の陰りと潤いある表情を滲ませている。
これは一朝一夕でできる表現ではない。
その意味で私は4曲の中で特に第4番を推したい。
作曲者晩年の寂寥感が暗く表現されるのではなく、温かな歌として全篇に美しく広がっていく。
全体がヒューマンな抒情と感情の起伏に埋め尽くされている。
その他の曲も巨匠ならではの風格があり、立派のひとことに尽きる。
第1番はオーケストラが渋く重厚な、ヨッフムが求めたであろう響きを、そのまま表出しているのが素晴らしい。
第2番の曲の真髄と深く触れ合った演奏や、第3番の壮麗で爽やか、どことなく甘美さを秘めた表現も、もはや当節の指揮者では及びもつかない。
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コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2020年03月31日 10:21

2. Posted by 和田 2020年03月31日 12:00
ヨッフムに関してはあとベートーヴェンの交響曲全集もあり、素晴らしい名演です。
彼は若い頃バイロイト音楽祭でも活躍していて、1954年の『ローエングリン』は歌手陣が史上最高で聴き応えがあります。
礒山雅氏が著書の中でヨッフムの指揮者としての性格的な弱さを指摘されていますが、確かに演奏にムラがあったのは否めないにしても、ハマった時は凄くて、例えばブルックナーに関してはミュンヘン・フィルとの9番、来日公演のコンセルトヘボウとの7番、亡くなる前のコンセルトヘボウとの5番など今聴いても最高です。
またオーケストラ・ビルダーとしてバイエルン放送交響楽団のアンサンブルを築き上げた指揮者としても忘れることができません。
彼は若い頃バイロイト音楽祭でも活躍していて、1954年の『ローエングリン』は歌手陣が史上最高で聴き応えがあります。
礒山雅氏が著書の中でヨッフムの指揮者としての性格的な弱さを指摘されていますが、確かに演奏にムラがあったのは否めないにしても、ハマった時は凄くて、例えばブルックナーに関してはミュンヘン・フィルとの9番、来日公演のコンセルトヘボウとの7番、亡くなる前のコンセルトヘボウとの5番など今聴いても最高です。
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