2010年08月06日
ケンペのベートーヴェン:交響曲全集
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ドイツの名匠ケンペの初の、そして唯一となるベートーヴェン交響曲全集。
日本におけるケンペの評価を決定づけた名盤でもある。
ケンペのミュンヘン・フィル芸術監督時代の大きな成果の一つ。
1曲、1曲に彫琢の限りを尽くし、丹念に仕上げられている。
当時のベートーヴェン解釈の本流をいくもので、現代のベートーヴェン像とはやや距離を置くところもあるが、当時のほかの演奏と比べた場合、ケンペのアプローチはより普遍性を持っていることが実感される。
一切の虚飾を排し、自らが信じるベートーヴェンを明確に打ち出しているためだろう。
温かみがあり、良い意味でのローカル色が感じられるオーケストラの響きも魅力的。
チェリビダッケ時代に世界に雄飛する以前の、やや肌合いの異なるオーケストラの味わいが如実に記録されている。
この演奏からオーケストラの個々の奏者の名人芸や離れ技を聴きとることは難しい。
個人技による感覚上の美観は、ここでは強く抑制されているのだ。
従ってここに見られる音楽的美しさは、表層にたなびくものではなく、内に頑固なまでにしがみついたものである。
全9曲まったくムラのない出来だが、第4番から第7番までの演奏は特に強い感銘を与える。
地味ではあるが、存在価値の大きい全集。
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コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2020年04月03日 09:34

2. Posted by 和田 2020年04月03日 13:51
ケンペ&シュターツカペレ・ドレスデンのR.シュトラウス全集は、カラヤン&ベルリン・フィルと異なったアプローチで作品の核心を衝いた名盤ですね。私としてはこのコンビのシュトラウスのオペラをもっと録音してほしかったのですが、ケンペが働き盛りに亡くなってしまったため、《ナクソス島のアリアドネ》のみになってしまい残念です。
尚、ディスクの金額はアマゾンによって誤表記になることもありますのでご了承ください。
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