2010年08月07日
バレンボイムのモーツァルト:ピアノ協奏曲全集(旧盤)
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バレンボイムはベルリン・フィルとともに第2回目の全集収録を完成させたが、これは、バレンボイムが指揮者として初めて深い関係を持ったイギリス室内管弦楽団と共演して1967年から1974年にかけて録音した第1回目の全集録音。
バレンボイムの弾き振りによる全集。
彼は弾き振りをも得意としているようで、すでにベートーヴェンの協奏曲全集も録音したりしている。
ここに聴くバレンボイムのモーツァルトは、決して軽妙で流麗という性格ではないけれど、安定した打鍵でしっかりと弾かれており、独特のエネルギッシュな魅力を持っている。
全集だけに曲によって多少のバラツキもなくはないが、全体としてみれば、音色の多彩さや、緩急、強弱の幅を実に自在に扱いながら、表情に豊かな彩りと内省の深さがあり、非常に水準の高い演奏が展開されている。
再録音と比べると巨匠的な音楽の大きさには欠けるものの、手塩をかけて磨きをかけたことが窺われる演奏はどれをとっても惚れぼれとするばかり。
美しいタッチできわめて自然に旋律を歌いあげ、その音楽を等身大に描いた現代におけるモーツァルト演奏の一つの理想像を示したものといえよう。
思い切りの良いオーケストラ・コントロールもなかなか聴き応えがある。
現在では指揮者としての活躍がメインとなり、表現意欲が走るようになったバレンボイムだが、これはピアノと指揮の活動の比率がちょうどモーツァルトの協奏曲演奏にふさわしかった時に収録された記念碑的全集である。
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コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2020年04月04日 10:03

2. Posted by 和田 2020年04月04日 13:46
確かに22番は2楽章の哀しみの表現は深みがありますし、だからこそ3楽章の微笑みはモーツァルトそのもので、心にしみます。バレンボイム自身の新盤を含め、未だにこれを凌ぐ録音はありません。
挙げられた以外のモーツァルトのピアノ協奏曲のディスクでは録音は古いもののリパッティ&カラヤンの21番、ギーゼキング&カラヤンの24番がそれぞれの曲のトップに挙げたい名演です。
全集ではあとアンネローゼ・シュミット&マズアでしょうか。
挙げられた以外のモーツァルトのピアノ協奏曲のディスクでは録音は古いもののリパッティ&カラヤンの21番、ギーゼキング&カラヤンの24番がそれぞれの曲のトップに挙げたい名演です。
全集ではあとアンネローゼ・シュミット&マズアでしょうか。