2010年08月10日

ガーディナーのベートーヴェン:交響曲全集


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まだベーレンライターの新校訂譜が出版されていない時期に、可能な限り自筆譜などにあたりながら、またデル・マーの協力を得ながら実現されたベートーヴェン演奏の新境地。

楽譜に関しても種々の原典を厳密に検討するなど、周到な準備がなされており、ガーディナーのこの全集にかける意欲を物語っている。

最近ではベートーヴェンをオリジナル楽器で演奏するのもごく当たり前になったが、なかでも特に光っているのがガーディナーの交響曲全集だ。

オリジナル楽器によるベートーヴェン演奏は、すでに珍しいものではないが、このガーディナーのように、ベートーヴェンの音楽の革新性を生きた音と表現によって鮮やかに甦らせた演奏はないだろう。

当然古楽器によるアプローチだが、アカデミックな印象は皆無で、生きて弾み、夢とロマンに遊ぶベートーヴェン像が実に生き生きと表現されている。

リズムの歯切れの良さ、クリアーな音色、時代様式の的確な把握。

ベートーヴェンを時代のコンテクストのなかに置き、フランス革命期の作曲家たちの影響を念頭に置いての曲の解釈など、ガーディナーは最新の音楽学の成果をとりいれながら、従来とはひと味もふた味も異なった新しいベートーヴェン像を明らかにした。

どの交響曲をとっても、新しい発見があちらこちらにあって、目からうろこが落ちる思いがすることうけあいである。

ガーディナーはベートーヴェンを「深く詩的な感情を体験、それを音楽という言葉を用いて再現した最初の作曲家」ととらえているが、そのロマン的な感情のふくらみがスタイリッシュな美しさと高い表現技術で達成されている。

何よりも言葉の本来の意味でロマンティックなみずみずしい情熱と活力にみちた演奏自体が、これまでのオリジナル楽器による多くの演奏と見事に一線を画している。

各曲の個性を爽やかにかつ鮮明に打ち出すとともに、表現が楽器用法と響きの面でも、様々な発見の喜びにみちた、まことに新鮮な全集である。

古楽演奏の一つの頂点を記した演奏といってもよいだろう。

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classicalmusic at 18:37コメント(2)トラックバック(0)ベートーヴェン | ガーディナー 

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コメント一覧

1. Posted by オトキチ   2010年08月11日 01:46
なるほど〜

すごく新鮮な演奏のようですね

なんでも鮮度が大事で、クレンペラーのんなんて・・・・ですもんね笑


ありがとうございました。

こんどきいてみます
2. Posted by 和田   2010年08月11日 14:15
オトキチさん、初めまして。コメントありがとうございます。
オリジナル楽器によるベートーヴェンでは、ガーディナーが随一の名盤だと思います。ぜひ聴いてみて下さい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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