2010年08月18日

ダム&ブロムシュテットのモーツァルト:ホルン協奏曲全集


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旧東独を代表する名手ペーター・ダムの代表盤。

大変生真面目なモーツァルトである。

いくぶん遊びやゆとりに乏しい感じはあるものの、緩徐楽章などそうした飾り気のなさが一種の素朴な美しさとして聴き手の心を打つ。

ダムの置かれた環境(旧東独)が、過小評価の一因となっているのであれば悲劇である。

ダムは20世紀屈指のホルン奏者に数えられるべき逸材である。

音色やテクニックはいうまでもなく、音楽作りの旨さには、熟練だけでは到底及びもつかぬ天賦のものを感じる。

ダムのソロは響きが柔らかく、豊かな広がりを生み出す。

解釈も素直でソノリティともども圧迫感がない。

そのために音楽は非常に温かい雰囲気を伴って再現される。

テクニックは完璧だが、それを感じさせないところに彼のすぐれた個性がある。

テンポの設定にも無理がなく、いたずらにソロをフィーチュアする意図が感じられない。

このような演奏で聴くと、モーツァルトの音楽が実に人間的な親しみを感じさせる。

ダムのモーツァルト協奏曲集には、もっと新しいマリナー指揮アカデミーとのレコーディングもあるが、こちらは彼がドレスデンの首席になってまだ日も浅いころのもの。

そもそもシュターツカペレ・ドレスデンの美しいホルン・セクションを聴くとああダムの音だと思うくらいだから、このソロとオーケストラがしっくりと溶け合っているのは当然と言うべきか。

それにしてもこのオケは素晴らしい。

ダムのソロは決して派手ではないし、テクニックもテクニックとして目立つ類いのものではない。

しかしホルン固有のまろやかな音色や、華やかさと何とも言えぬユーモアが同居するこれらの曲の味わいを、心ゆくまで楽しませてくれる演奏である。

また、モーツァルトのホルン協奏曲を学究的な態度でとりあげたものとして、モーツァルトの研究家やこの曲の演奏を志す人にも貴重なCDといえる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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