2010年08月16日

ワイセンベルク&カラヤン名演集


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カラヤンはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を何度も録音しているが、どれを聴いてもそれぞれのピアニストの特徴を生かしつつ、最終的には彼の音楽の中に納められている。

カラヤンの器の大きさを改めて知ることになるが、このワイセンベルク盤はこの曲のピアノ協奏曲としての一側面である名技性や華麗さをたっぷりと聴かせる方向にあるようで、オケもここではベルリン・フィルではなく当時カラヤンが音楽監督をしていたパリ管を使い、このオケの鮮やかな色彩感なども加わって、まさに絢爛豪華な演奏を展開している。

外的効果云々が取り沙汰される演奏かもしれないが、元来この曲の名技性が作曲者の若い情熱的な部分からの発露である限り、この演奏も充分に納得のいくものだ。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の演奏は、ワイセンベルク、カラヤン共に絶頂期にあった頃の録音で、火花を散らすような凄まじい演奏である。

ワイセンベルクは鋼鉄のようなタッチによって豪快でダイナミックに、打鍵楽器としてのピアノ機能をフルに示し、カラヤンとベルリン・フィルの奔流のようなスケールの大きいオケの表現と対等に渡り合っている。

カラヤンはこの曲からシンフォニックで幅広い、そして奥深い表現を聴かせ、単なるオケのバックとはしていない。

第2楽章ではベルリン・フィルの瑞々しい木管や弦によって耽美的な境地にまで到達している。

さらには、ワイセンベルクがともすれば無機的になる何気ないパッセージも、カラヤンが音楽的に強くサポートしている部分も多い。

ベートーヴェンは、カラヤンとベルリン・フィルの豪華なバックに支えられて、ワイセンベルクがカラヤンの意図に従って独奏を展開している。

いってみれば名だたる技巧家ワイセンベルクが大人しい演奏をしているといったところ。

ワイセンベルクのピアノは、抹消神経をくすぐるような不健康な官能美を持ち、特に《皇帝》は、彼のファンには受けるだろう。

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classicalmusic at 18:53コメント(2)ワイセンベルク | カラヤン 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年04月13日 10:34
4 ワイセンベルグ&カラヤンのチャイコフスキー第1番とラフマニノフ第2番とのカップリングは昔LPで持っており,何度となく聞きました。今となっては録音が古く音色も金属的ですが,豪華絢爛な演奏でした。とりわけ後者では両者の特色が巧くマッチングした秀演で,カラヤンが協奏曲において無名または若手の演奏家を育成するのに卓越したマエストロであることを痛感します。前者にはリヒテルとの名演が有り,それと比べるとやや無機的な感じがします。でも小柄なワイセンベルグのどこにこんな力があるのかと感心します。当時ワイセンベルグは未だ若く,将来が期待されていたのに,その後余り名前を聞かなくなりましたね。苦労人だっただけに大変残念です。
2. Posted by 和田   2020年04月13日 12:37
ワイセンベルクはブルガリアのソフィア出身ですがユダヤ人迫害から逃れてニューヨークのジュリアード音楽院で学んだ、極めてインターナショナルなプロフィールと感性を持った異色のピアニストでした。一廉の芸術家の中には望むと望まざるとに拘らず一度その活動を休止して、様々な意味での充電期間を設けるケースがままあります。ピアニストでもホロヴィッツ、ルービンシュタイン、ポリーニ、ガヴリーロフ、ポゴレリチなどそれぞれ期間の長さとその時期や理由は異なっていますが一時期完全に演奏活動から離れていました。ワイセンベルクも例外ではなく27歳の頃からおよそ10年に亘って楽壇から姿を消し、壮年期になってパリで返り咲きました。仰せのように苦労人ですが、カラヤンとの蜜月時代以後活躍ぶりを聞かなくなりました。私も残念です。
カラヤンはヴァイオリンのフェラス、ピアノのベルマンとアンダなど、カラヤンが発掘し、彼が可愛がったソリストたちは不思議なことにその後鳴かず飛ばずになってしまいました。そのため、カラヤンには爛愁螢好板戮鍬瓩箸いΠ枳召気与えられたほどです。そのカラヤンが最後に手塩にかけたのが、当時10代前半のムターでしたが、さしものカラヤンもかつてのことが頭をよぎったのか、「私の操り人形にならぬように」とある時期以降は意図的に共演数を減らしたのは周知の通りです。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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