2010年08月21日

ヨッフムのハイドン:ザロモン・セット(第93番〜第104番)


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最近のオリジナル楽器の演奏とは異なる伝統的な様式を継承した演奏だ。

古楽器台頭以前の大編成オーケストラによるもっともオーソドックスな演奏として、身も心も安心して委ねることのできるセットである。

アンサンブルをする歓び、職人的に精巧に書かれたハイドンのスコアを、音にする歓びが溢れている。

晴朗な音色と軽やかなリズムで、親しみに溢れた暖かい音楽を聴かせるが、造形は実に堅固で表情は格調が高い。

時に自己主張が強まるもののテンポやアーティキュレーションは妥当で、それでいながら巨匠的風格を持っているのだ。

ドイツのオーケストラのように重厚すぎないロンドン・フィルの上品で節度ある響きが、この演奏に独特の気品を与えている。

こういうハイドンを聴くと、本当に心が和む。

小編成では味わうことのできない大らかさにホッとするのだ。

クナのように無限の宇宙を感じるとか、シューリヒトのように魂が天を駆けるという特別な演奏ではない。

それでいて大衆に媚びた低級の演奏でもない。

真面目さとユーモア、高尚と親しみやすさ、そんなものが同居した、バランスの取れた名演集である。

これらのCDはヨッフムの最も優れた遺産のひとつといえる。

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classicalmusic at 15:24コメント(2)ハイドン | ヨッフム 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年04月18日 10:18
3 以前申し上げた様に,ドイツ音楽におけるヨッフムは私の好きな指揮者。でもこのハイドンのセットは余り感心しません。面白みが無いからです。全ての曲を聞いた訳ではないですが,私の好きな95番はドレスデンシュターツカペレの旧盤の方がベターだと思います。また私が最高傑作だと思っている<ロンドン>はビーチャム,デイヴィスそしてバーンスタインの方がずっとウキウキします。どうもヨッフムは60年代と80年代に名録音が集中しており,70年代はぱっとしない気がします。考え過ぎかな?
2. Posted by 和田   2020年04月18日 13:05
仰る通りビーチャム、デイヴィス、バーンスタインのハイドンはそれぞれに素晴らしいと思います。私の104番の一押しはシューリヒト&フランス国立盤ですが。
最近のハイドン演奏のトレンドは、オリジナル楽器による「バロック風の演奏」ですが、このヨッフムによる名演はランドン版のスコアを用い、現代楽器のオーケストラを指揮した代表的なものでしょう。ハイドンは(特に後期の作品にあっては)決してバロックの作曲家でもなければ、初期ロマン派の作曲家でもありません。ヨッフムのこの演奏は、正に古典派の大作曲家としてのハイドンの堂々たる姿を具現させてくれたものです。その構築性と愉悦、そして情感の深さをヨッフムは決してバランス感覚を失うことなく、健康的に、美しく描き出しています。時の流行に左右されない確かな音楽に対する見識を測るバロメーターにもこの演奏はなるでしょう。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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