2010年09月14日

スウィトナーのベートーヴェン:交響曲全集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



スウィトナーは昔から、ベートーヴェンを得意にしてきた指揮者である。

オーストリア生まれのスウィトナーは1964年から90年までベルリン国立歌劇場の音楽総監督を務め上げ、全盛期を謳歌した。

この時代にオーケストラも最良の水準に到達、しなやかな弦の美しさ、潤いあふれる木管楽器、底光りするような金管楽器セクションが一つになった演奏で一世を風靡した。

1980年から83年にかけて収録されたベートーヴェンの交響曲全集はその最良の成果。

演奏はドイツの伝統様式を、現代的かつ妥当な客観性で表現し、作品自体に語らせた解釈で、全集としては最も好ましい在り方だ。

そのため各曲にはほとんど優劣がなく、抒情性と劇性、歌謡性と運動性などの相反するものを包含したうえでの中庸美を獲得している。

それは指揮者の中にある南欧的性格と、オケのプロイセン的な気質が複雑に調和した結果だろう。

第5番にギュルケ版を用いるなど、使用楽譜とその解釈において、全集としての文献的価値も高い。

しかも現代の感覚にアピールするふくよかな歌と明るい美感をそなえてもいる。

ベートーヴェンの音楽に存在する意志的な個性や普遍性を両立させ、低音をよく響かせながら、全体を実に堅固に表現している。

少しの小細工も弄することなく、正攻法で挑んでいるのがすごい。

全体に、誠実さをそのまま音にしたかのような自然で、たおやかな感動にあふれている。

なかでも最初期に収録された《田園》は何よりも表現の純度が高く、水彩画のような美しさを誇ると同時に、感動の質がどこまでも温かい。

個性やカリスマ性とは対極にある、歴史が作り出した名演である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:13コメント(2)トラックバック(0)ベートーヴェン | スウィトナー 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by クリュイタンス   2012年11月13日 20:40
全く同感である。 スウィットナーのライバルであった 同じ南ドイツ語圏出身のサヴァーリッシュのロイヤルコンセルトヘボウを振ったべートホーフェンの交響曲全集と比較してみると 面白い。
2. Posted by 和田   2012年11月14日 00:50
共感していただいて、ありがとうございます。
お名前はご無礼ながら失念しましたが、確か大学の先輩に貴殿のように南西ドイツの演奏に造詣が深く、ベートーヴェンを普通表記するのをベートホーフェンと表記する方がいらっしゃいましたが、もしかしてその方でしょうか?
サヴァリッシュ&ロイヤル・コンセルトヘボウのベートーヴェン:交響曲全集は勉強不足で未聴です。
機会があったら聴いてみます。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ