2012年07月17日
カラヤンのモーツァルト:ミサ曲ハ短調
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カラヤンが録音で残したモーツァルトの宗教音楽は、このほかにも《レクイエム》や《戴冠式ミサ曲》があり、いずれもすばらしい演奏として後世にまで伝えられてもよいように思う。
とくに《レクイエム》は何回となく録音しており、作品自体がカラヤンの手中に完全に収められているように思った。
このハ短調のミサ曲でも、やや遅めのテンポで《レクイエム》と同様にじっくりと歌い上げられており、しかも細かいひとつひとつの楽想の表現の仕方にもよく神経が行き届いているのを感ずる。
カラヤンは、すばらしく美しい響きと表現によって、なめらかに大きく作品を磨きあげている。
カラヤンの演奏は、いつにもまして彼の個性と統率力が強く押し出され、それが裏目に出てしまった箇所が少なくない。
しかし、全体の仕上がりとしては申し分のないものであり、やはり積極的な意味での標準盤としてお薦めできる。
オケの精度はいうまでもないが、声楽パートを盛り立てる部分のサポートの旨さやトゥッティでのキリリと引き締まった響き、そつのない流麗な曲運びなど、モーツァルトの音楽に習熟した技が遺憾なく作品の持ち味を際立たせている。
また、この曲でとくに重要な役割を果たしているソプラノ独唱を歌うヘンドリックスをはじめ、独唱陣も揃っており、合唱の豊かな響きとともに音楽の中に浸らせてくれる。
名作であるにもかかわらず人気がいまひとつの同作品だが、噛み締めれば噛み締めるほど味わいが深くなる。
何度も聴き返すには最適の演奏といえるだろう。
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