2014年02月21日
バレンボイムの「トリスタン」
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現代を代表するワーグナー指揮者バレンボイムの能力がフルに生かされた名演といえよう。
ワーグナー指揮者としてすっかり名声を確立した感のあるバレンボイムだが、彼が主要十作品のうちもっとも古くから指揮してきたのが《トリスタンとイゾルデ》である。
この音楽がもつ大きなうねり、そこから生まれる陶酔感をこれほど大胆に表現できる指揮者は現役では他に見当たらない。
それは彼が幼い頃から敬愛するフルトヴェングラーの精神を現代に受け継ぐものといえるだろう。
フルトヴェングラーを心から尊敬するというバレンボイムは、その精神を受け継ぎ、きわめてスケールが大きく、しかも現代的な精密さをあわせもった音楽を聴かせる。
フルトヴェングラーを忘れさせる、というほどでなくても、ここにはまぎれもなく現代の《トリスタン》が響いている。
ベルリン・フィルもそうした指揮者の要求に的確に反応し、オペラで普段演奏するオーケストラとは一味違った、いつになく熱気に満ちあふれた、精妙かつ熱い音楽を奏でている。
第1幕の幕切れ、第2幕の愛の二重唱など、これこそワーグナーを聴く醍醐味という印象。
イゾルデのマイヤーは、まだソプラノに転向した直後で、まだソプラノの役に挑んで日が浅かったため、今の彼女ほどの水準の素晴らしさはないとはいえ、その豊かな艶をたたえた深々とした声はきわめて魅力的。
トリスタンのイェルザレムも彼の最良の歌唱を聴かせている。
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