2010年09月07日

カラヤンのハイドン:オラトリオ「四季」


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以前は全曲盤から聴きどころを17曲抜粋したハイライト盤しか入手できなかったが、これは完全全曲盤。

オラトリオとはいえ宗教的な内容ではなく、むしろ自然や生活の賛美を主体にしているため、世俗オラトリオと呼んで区別されているのが当作品。

カラヤンの演奏は肩肘張らずに、爽やかで情味豊かに表現する。

アリア、レチタティーヴォ、合唱の入った楽曲を網羅した全曲盤で、トムソンの原詩のイメージを鮮やかに描き出した表現の妙や、要所に現われる対位法的な楽曲の造形の巧みさなど、カラヤンの技量が遺憾なく発揮されているところは聴きもの。

カラヤン一流の巧みな演出にひきつけられる演奏で、ことに、後半のもりあげ方のうまさは圧倒的だ。

音楽がすすむにつれて、カラヤンの棒の魔術に完全に酔わされてしまう。

3人の独唱者たちもよく歌っており、合唱、オーケストラとともに生気にとんだ演奏を繰り広げている。

それにしても、後のベートーヴェンやウェーバーを予感させる管弦楽法や楽想表現などが見て取れるのは何とも興味深い。

カラヤンの演奏にはそうした視点をも刺激するだけの洞察力の裏付けがある。

ハイドンの音楽はとてもわかりやすく、ヒューマンな感動に満ちている。

再確認したのは、何をヒューマンと感じるかは時代によって違うということだ。

エコロジー的な考えの強い現代の感覚は、おそらくカラヤンの時代よりハイドンの時代に近い。

でもこれがハイドンでないというのではない。

この巧緻な演奏は20世紀の人類の感性を鏡のように映し出す、演奏史に残る金字塔であることにかわりはない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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