2011年01月02日

コラールのフォーレ:ピアノ作品全集


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フランスの名ピアニスト、コラールは、1970年から84年まで15年をかけて、フォーレのピアノ曲全曲録音を完成させた。

20歳代から30歳代前半のコラールの若々しさが輝き、みずみずしい感性に息づいた演奏を、ここに聴くことができる。

コラールは、その若さにもかかわらず、一本芯の通った彫りの深い演奏を行っている。

全体に、暗く沈んだ内省的な作品よりも、むしろ、明るくのびのびとした作品の方にこの人のうまさがよくあらわれている。

若手らしく、フレッシュな表情で、フォーレの作品のもつ抒情的な雰囲気を実に美しく引き出した演奏だが、曲によっては、ややコクに欠けるのが残念だ。

コラールは、音の質量よりは洗練された微妙な音楽を、輝かしい硬質の音よりはふくらみのある柔らかい音を求め、それを獲得している。

そしてこの姿勢は、表現全体にかかわってくる。

コラールがフォーレで成功を収めているのは、多分そのためだろう。

彼は、フォーレ独特の繊細な和声の綾、その色彩の微妙な変幻を、透明感のある音色と絶妙な節回しをもって美しく表現し、独自の音楽空間を作り出す。

各曲の魅力的な聴きどころをおさえたこのディスクは、フォーレのピアノ曲のスタンダードな名盤に挙げられよう。

これまでも、また今後も、この演奏を通じてフォーレに開眼する向きも多いのではないかと思われる。

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classicalmusic at 16:01コメント(6)フォーレ  

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年08月30日 10:08
4 フォーレは私がフランス人で一番好きな作曲家です。レクイエムやペレアスとメリサンドは勿論ですが, 名画<田舎の日曜日>で多用された室内楽に惹かれます。とりわけ気に入っているのが, ピアノ5重奏曲第2番, ピアノ3重奏曲そして弦楽四重奏曲の3曲です。残念ながらピアノ曲集は未聴ですが, レコードアカデミー賞に輝いたパレナン弦楽四重奏団の室内楽全集の何れの曲もピアノはコラールでした。振るいつきたくなる程見事なピアニスモでした。上記の室内楽曲は今後取り扱われる可能性があるので, これ以上は遠慮しておきます。
2. Posted by 和田   2020年08月30日 13:05
フォーレは、その生涯に数多くの室内楽曲を書いています。フォーレが聴力を冒されはじめたのは、1903年頃からだと言われています。それから2年後の1905年にパリ音楽院の院長の要職につき、聴力の低下に悩まされながら激務を遂行しましたが、1920年には完全に聴力を失い、院長の職を辞任しました。小島さんが気に入っているピアノ五重奏曲第2番は、その翌年に発表されたものです。一般的に馴染みの薄い作品ですが、そうした悲惨な状態で作曲されたとは思えないほど澄み切った音楽となっています。弦楽四重奏曲は、1924年、フォーレの死の年に作曲されたもので、これは、フォーレの作曲家としての総決算とも言えるような気分が満ち溢れていますね。
3. Posted by 角皆優人   2020年08月30日 17:36
5 コラールのフォーレはほんとうに瑞々しい感性に満たされていますね。長く愛聴しております。
4. Posted by 小島晶二   2020年08月30日 21:36
追伸。貴重な情報をお知らせいただき有難うございます。何れの室内楽曲も本当に澄み切った逸品ですね。映画<田舎の日曜日>ではピアノ付室内楽曲は叙景のバックに使われていました。ルノアールの絵を見ている様な感覚になり, フランス文化の深遠さを痛感しました。主人公の老画家が手を眺めながら自分の絵を再度描こうをと決意するラストシーンで弦楽四重奏曲の終楽章が流れ, 涙無くしてスクリーンを見ることが出来ませんでした。フォーレもベートーヴェンの様に聴力を失っていたのですね。今なら何とかなったのに, 全く悲しい話です。
5. Posted by 和田   2020年08月30日 23:16
角皆優人さん、初のコメントありがとうございます。共感していただき嬉しく思います。またのコメントお待ちしております。
6. Posted by 和田   2020年08月30日 23:22
聴力を失ったフォーレとベートーヴェンの最後の作品はともに弦楽四重奏曲でした。先ほど小島さんが挙げられた室内楽曲3曲をあらためて聴いてみましたが、幽玄で深遠、フランス音楽の奥の院はフォーレの晩年の作品にあるのではないかと感じ入った次第です。それだけに玄人好みと言えるところであり、レクイエムやペレアスとメリザンドのようにメジャーにはならないのでしょうね。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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