2010年10月10日

クリュイタンス&ベルリン・フィルのベートーヴェン:交響曲全集


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クリュイタンスによるベートーヴェンの交響曲全集ということに、多少の違和感を持つ人々もあるかもしれない。

しかし、このカラヤン時代初期のベルリン・フィルを指揮して1960年に完成された全集を聴けば、むしろそれが遺されたことに感謝することもできよう。

もちろん、彼がラヴェルなどのフランス音楽に最高の世界を開いた一人であることはいうまでもないが、ここでは、彼がドイツ=オーストリア音楽にも卓越した感性と識見を持っていたことが明らかにされている。

ベートーヴェンの演奏に、洗練や典雅といった表現がふさわしいのかどうかは別であるが、そこにある豊かな音楽と品格の高さは、単なる客観的演奏という以上の魅力を示している。

きびきびした音、音楽の流れの躍動性、けっして重くにごったりしない明澄な響きで演奏され、無理な作為が絶対にない。

クリュイタンスは、ゆったりとしたテンポで、それぞれの曲を処理していて、劇的にまぎれずに音楽が自然に流れている。

ベートーヴェンを豊かに歌わせるにはこのテンポが適切であった。

テンポは遅いがリズムは粘らない。どの曲も明瞭で、よく歌いよく響く。

そのためにあっさりして明朗な感じがするのだが、やはりクリュイタンスのラテン人としての性格がそうしたところに表れているのであろうか。

旋律と和声が、実に豊かに感じられる演奏である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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