2010年09月27日
アーノンクールのシューベルト:交響曲第5番、第7番≪未完成≫&第8番≪ザ・グレイト≫
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ベートーヴェンの交響曲全集に続いて、1992年に集中して収録されたもの。
オリジナル楽器による演奏の旗手として名高いアーノンクールは、モダン楽器による演奏でも常に注目を浴びる指揮者である。
アーノンクールの演奏はモダン楽器に代わっても、オリジナル楽器で究明を続ける表現手法をそのまま移植するかのように先鋭的な解釈で迫るのが特徴。
これは彼が最も多く共演しているコンセルトヘボウ管弦楽団と完成させたシューベルトの交響曲全集からの有名曲の抜粋である。
モダン楽器を使用してオリジナル楽器風の味わいを出すアーノンクールのやり方は、ここでもきわめて雄弁な効果を発揮している。
緻密に焼き直されるフレージングや大胆とも思えるデュナーミク、そしてあらゆる声部を徹底的に解釈し、それを再構築していくかのような分析的視点とその実践など、普段聴き慣れたシューベルトでも、随所に新たな発見や驚きを覚えさせる表現が溢れている。
ただここで起用したオーケストラがヨーロッパ室内管弦楽団ではなく、コンセルトヘボウ管弦楽団であるところがミソ。
アーノンクールはこのオーケストラがもつしっとりとした味わいがよりシューベルトに似合うと思ったのだろう。
さらにこの作曲家のもつオーストリア的な側面もあわせてくっきりと描出しているところも注目されよう。
自筆譜を参照し、可能なかぎりシューベルトのオリジナルの形を追求しているところもこの指揮者らしいところだ。
刮目すべき演奏である。
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