2010年10月26日

ヴァント&ベルリン・フィルのシューベルト:「未完成」&「ザ・グレイト」


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20世紀も末、チェリビダッケ亡き後、ドイツのシンフォニー・コンサート終演後にスタンディング・オヴェイションが得られるのは、クライバーとアーノンクール、そしてこのヴァントだけだと、どこかで読んだことがある。

それは言い換えれば、本当の意味でドイツ人の琴線に触れるドイツ音楽を聴かせられる音楽家は数少ないということなのだろう。

そのヴァントが15年ぶりに共演したベルリン・フィルとのライヴ録音によるシューベルト。

なかでも《ザ・グレイト》が傑出している。

きわめて主張が強く、しかもふくよかな歌のニュアンスが魅力的である。

この曲で重要なリズムは武骨と言えるほど素朴だが、それがすばらしく効果的で、重厚な響きとともにシューベルトの実像をそのまま表現した感をあたえる。

音楽の本質をしっかりと見据えて、ともすると暴れだす名馬ベルリン・フィルの手綱をきっちりとしめている。

派手な効果も小手先の皮相な表現もセンチメンタルな感傷もない。

しっかりとして手応えの感じられる名演だ。

《未完成》は《ザ・グレイト》と同じ演奏会の録音。

そのためか意欲的な気概の強い演奏で、重厚ななかにも細部が克明に描かれ、表情の説得力が凄い。

作品の交響性を徹底してあらわした表現だが、第2楽章はそのなかにあたたかいロマンと人間性を感じさせる。

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classicalmusic at 18:54コメント(2)シューベルト | ヴァント 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年06月24日 10:07
4 ヴァント嫌いの私ですが(アーノンクールはもっと嫌いです), このシューベルトは大いに評価します。ブルックナーやブラームスで感じられた不自然な要素は無く, 言いたいこととやりたいことは全て言い尽くした, やり尽くしたと感じる達成感があるからです。特に第9番はフルトヴェングラー, レヴァイン, バーンスタインらに肩を並べる演奏だと思います。8番の方はワルター, シノーポリ, ブロムシュテットと強敵が多いので, 若干点数が辛くなります。でもこのライヴ盤はキャンセルしたC. クライバーの代役だったそうですね。
2. Posted by 和田   2020年06月24日 14:21
クライバーの代役だったとは知りませんでした。でもヴァントの晩年このシューベルトから出発してベルリン・フィルとの良好な関係を築き、数々の名演が生み出され(小島さんは嫌いとおっしゃいますが)たのは事実ですね。ヴァントはコンセルトヘボウからもアプローチがあったのですが、「80歳になってから声をかけてくるようなオーケストラには行かない」と断りました。ウィーン・フィルとの関係も良くなかったことは周知の通りで、バックハウスとのシューマンのコンチェルトしか録音がないのですが、海賊盤で晩年ブルックナーを振ったディスクが確かにあったと記憶しています。今は入手難です。
実を言えばシューベルトの「未完成」はワルター&ニューヨーク・フィル、「ザ・グレイト」はフルトヴェングラー&ベルリン・フィルで決まりというのが私の本心です。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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