2010年10月13日

スーク&パネンカのベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集


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ベートーヴェンの10曲あるヴァイオリン・ソナタは、ボン時代の1797年から1810年までの間に書かれ、《春》や《クロイツェル》などの良く知られた名曲を含んでいる。

スークとパネンカの名コンビによるこの演奏は、すばらしいアンサンブルを聴かせる。

このスークとパネンカが録音した全集には、クレーメルやシェリングなどが、個性的で大胆な全集を完成させたのとは対照的に、極力個性を排除し、室内楽的で静謐な抒情を表出することを目的とした、いわば物静かな感動が全面を覆っている。

実直な室内楽型ではあるが、派手さのない端正な表現の中に、独特の抒情味を宿していて楽しめる。

スークのヴァイオリンは、すこぶる繊細で、甘美で魅力的な音色をもっており、パネンカのピアノも実に安定していて品位が高い。

スークもパネンカも、いわゆる巨匠型の演奏家ではないが、力量と総合力の高さを持っている。

ただこのコンビはたくましさや情熱よりも、端正な演奏が身上で、このコンビに適しているのは《クロイツェル》よりも《春》ということになる。

《春》は、まさにぴったりの雰囲気をもったスークの目指す理想的な名演となっているが、《クロイツェル》のようなドラマティックな作品でも、2人の緻密な合奏から生まれる迫力ある妙味が、心地よい緊張感を生んでいる。

ベートーヴェンの抒情を歌い上げて、端正・清楚な点ではトップ・クラスの演奏だし、ひと味違ったベートーヴェンに接することができる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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