2010年10月08日

アバド&ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第7番


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アバドが1985年から88年にかけてウィーン・フィルとライヴ・レコーディングで作りあげたベートーヴェン交響曲全集からの抜粋盤。

ライヴならではの豊かな感興が波打つように表された秀演。

その表現はまったく正統的で、最も純正なベートーヴェン演奏だ。

アバドは伝統的なウィーン・フィルの体質の中に現代的感覚を注ぎ込み、19世紀の音楽芸術にに新たな生命力をつくり出した。

第7番はウィーン・フィル特有の冴えた弦の響きが実に美しい。

一点の曖昧さもなく、精確そのもので、そこに示された音楽的感興は絶大。

また第2楽章のアレグレットは瑞々しい美しさをウィーン・フィルの響きからたっぷりと引き出している。

舞踏のリズムがもつある種の官能性や劇的高揚、激しさ、生命エネルギーの爆発といったこの作品の解釈に伝統的に受け継がれてきたものをアバドは踏襲する。

とくに速いテンポをとるわけでもなく、どちらかというと重厚な響きが基調となっている。

頂点は終楽章にある。

第5番《運命》もやはり純音楽的で、確信にみちた堂々の力感が造形の中に逞しい筋金を通し、非常な説得力で聴き手を魅了する。

緻密な楽曲構造とアバドの流麗な棒とが絶妙に融合し、純音楽としての一つの大きなドラマトゥルギーが形成されている。

すべての意味でバランスのとれた名演である。

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classicalmusic at 18:35コメント(2)ベートーヴェン | アバド 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年06月06日 10:38
4 和田さんは相当アバドがお気に入りの様ですね。私も好きな指揮者で, ベストテンに入れても良いかと思うマエストロです。確かにこのベートーヴェンの2曲は正統的で, 2番についで好きな演奏です(9番はアップテンポで良い出来とは思いません)。7番に関しては60年代にウィーンフィルと共演した旧盤が有ります。これも切れ味の鋭い秀演でしたが, どこか青臭さがありとるなら新盤でしょうね。アバドはウィーンフィルと本当に相性が良く,メンバーからも慕われていた様です(最も相性が悪かったのはショルティかな)。ただし, 私はベートーヴェンとブラームスに関しては不自然な繰り返しを伴う原典版の演奏は性に合いません。従って, 残念ですが如何なる名演でも原典版を採用したCDは手に取ることがありません。
2. Posted by 和田   2020年06月06日 13:10
いやぁー特別お気に入りというわけでもないんですけど、不思議に取り上げたくなる指揮者です。ここで紹介したウィーン・フィルとのベートーヴェンが録音された後、カラヤンを失ったベルリン・フィルが楽団員の投票により次期首席指揮者をアバドに任命したことからも分かるように、当時のアバドは世界楽壇の頂点に立つマエストロでした。
イタリア人指揮者ならではの熱いカンタービレと細部に至るまで徹底して読み込まれた緻密な設計、聴き手を興奮させずにおかない劇場的華やかさと輝き、そして演奏を貫く緊張感、とアバドが聴かせる演奏は常にまぶしいばかりの光にあふれ、磁力にも似た強い力で私を虜にするのです。アバドのベートーヴェンに関しては、古楽器演奏を多少意識した軽量級のベルリン・フィルとの全集よりも、従来の伝統的で重厚なウィーン・フィルとの全集の方が好きです。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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