2010年10月29日

カラヤン&ベルリン・フィルのベルリオーズ:幻想交響曲(新盤)


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カラヤンの幻想交響曲としては3枚目のCDであるが、意外にもこの1974年盤が最後の録音である。

カラヤンは、その後、1989年の死去の年までに幾度となく演奏会で幻想交響曲を採り上げているが、スタジオ録音しないままあの世に逝ってしまった。

その理由についてはよくわからないが、本盤は、最後の録音という名に恥じないくらいの名演だと思う。

1974年と言えばカラヤンとベルリンフィルの蜜月時代の末期であり、カラヤンの卓越した統率力と各楽章の的確な描き分け、それにベルリン・フィルの卓抜した技量も相俟って、珠玉の名演に仕上がっている。

《幻想交響曲》はそのテクスチュアから様々な音が引き出し得る。

したがって、指揮者によって個性の異なる名盤が目白押しであるが、カラヤンの演奏もこの曲には忘れてはならないものであろう。

彼独特の耽美的な指向性と妖艶と言えるまでの表情の磨きによって、この曲が単なるストーリーを追った展開だけにとどまらない、音響の濃密なる祭典、オーケストラ美学(ベルリン・フィルのみ可能な)の究極としてここに示されている。

率直な若々しい表現が、精力的な活動を続けていた当時の演奏様式をよく表している。

すばらしくなめらかな肌ざわりと美しい光沢で仕上げられた、オーケストラのタペストリーと言える。

現代の管弦楽演奏の最高水準にあり、スコアのすみずみまで音に表している。

それだけに、ベルリオーズの管弦楽法の効果が鮮やかに表現された、スケールの大きい演奏だと言える。

終楽章はやや腰の重い進行ではあるが、充分に練り込まれた色彩と響きの充実で聴く者を魅了する。

鐘の音色にはやや違和感を覚えるが、ベルリン・フィルの重量感あふれる演奏には意外とマッチしているかもしれない。

交響曲というよりは、交響詩風に展開していくのは、作品の上で当然の帰結だろう。

録音も《幻想》をかなり意識したとり方で、空間的な広がりや色彩の微妙な変化が絶妙で、カラヤン自身の演出も多分にあろう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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