2010年10月15日

スーク・トリオのベートーヴェン:ピアノ三重奏曲全集


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何と室内楽的なバランスの整った演奏だろう。

スーク・トリオの演奏は、室内楽的かつ古典的で、緊密なまとまりを聴かせる。

3人それぞれが実に明確な主張を展開しながら見事な調和を保ち、一体となって感興豊かで恰幅の大きな世界を作り上げている。

スリリングなところはないが、充分に練られた表現にはまとまりだけではない華もあって楽しめる。

全体的に高水準でまとめられた非常に完成度の高い演奏で、若々しい生気と躍動にあふれた魅力的な「街の歌」や、中期特有のエネルギーが見事に生かされた第6番が印象に残るし、「大公」も堂々とした風格の名演だ。

平均年齢54歳の録音にもかかわらず、もっともみずみずしく新鮮な息吹を感じることができる。

ピアノがパネンカからハーラに替わっているが、このトリオは、相変わらず、すぐれたアンサンブルを聴かせてくれる。

ピアノに創設当初のメンバーであったハーラが復帰した直後という条件も良い刺激となったようである。

決して馴れ合いにならない、芸術性のぶつかり合い、これぞアンサンブルの醍醐味。

「大公」は、スーク・トリオにとっての3度目の録音である。

合奏の精度という点ではむしろ彼らの2度目の録音(平均年齢47歳、ピアノはパネンカ)の方に利があるのだが、3度目の方には聴いていてはっとさせられる瞬間がしばしばある。

ここでも、歯切れのよいピアノのリードによって、熱気のこもった華麗な演奏を行っている。

特に、第1楽章の堂々たる表現や、第2楽章のロマンティックな気分の出し方など、見事の一言につきる。

スーク・トリオのこの演奏を聴くと、余分な力を全く抜いて、注意深く表情をつくっていることに感心させられる。

それが第1、3楽章において大波のような起伏をつくっている。

本当に磨き抜かれた音によって真情あふれる音楽が歌われており、細部が精緻であるのにもかかわらず、全体の音楽像は雄大この上なく、それが時としてものすごい熱気をみせるのだ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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