2010年10月20日

トスカニーニ&NBC響のベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&第6番「田園」


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実に半世紀以上も前の録音であり、1867年生まれのトスカニーニは85歳に達しようとしていたが、20世紀の演奏芸術の方向性を決定づけたトスカニーニの指揮で聴くベートーヴェンの「運命」は、鋭く直進するアレグロ・コン・ブリオの芸術であり、今なお輝いている。

トスカニーニの、歯切れのよいダイナミックな演奏スタイルが端的に表われた、いわゆるトスカニーニ張りの典型的な表現である。

おそらく、ドイツ人やウィーンの人だったら、こんな素っ気ないベートーヴェンはない、というだろうが、音楽的にみれば、最も穏当で正確な「運命」だけに、演奏では最上級のものということができる。

余情を廃して作品を裸にし、ベートーヴェンの核心に肉薄するとこうなる、そんな決意表明を目の当たりにする壮絶な演奏であり、作品全体がひとつのクレッシェンドする情熱で再現されたかのようである。

この客観主義と完璧主義がその後の後輩指揮者たちのひとつの目標となったものであり、カラヤンもショルティもセルもアバドも、彼らの精神的礎をここに求めたといっても決して過言ではないであろう。

「田園」におけるトスカニーニの明快で輝かしい表現は、同時にこれ以上ないカンティレーナのみずみずしさにも充ち溢れている他、各場面の意味と魅力を明確にクローズ・アップさせた演奏設計の旨みにも比類なきものを示している。

いわゆるドイツ的な演奏とはその本質を異にするが、結果的に作品のイデアに最も肉薄し得た内容と考えてよいだろう。

トスカニーニの楽器と化したNBC交響楽団も素晴らしい。

ライヴではふくよかであったはずの響きの豊かさが感じ取れないのは惜しまれるが、このCDではかなり改善された音質で聴ける。

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