2010年10月25日
ギレリス&アマデウスSQ団員のブラームス:ピアノ四重奏曲第1番/ギレリスのブラームス:バラード集
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ブラームスのピアノ四重奏曲第1番の演奏に当たっては、当然ながらピアノにかかっている役割は大きい。
ピアニストがヤワであったりしたら、この難曲は正しくは再現できないであろう。
その点、ここに聴くギレリスのピアノは万全である。
強靭な打鍵を主に、各表現を堂々とクリアしていく様は、じつにすばらしい。
抜群の安定感を誇りながら、しかも表情豊か。たくましいブラームスを描き出している。
この曲におけるピアニストとしては申し分のない重責を果たし得た演奏といえよう。
それに対するアマデウス弦楽四重奏団員も、時にスケール大きく、ときにデリケートに、よく配慮の行き届いた演奏で全体を盛り上げている。
他に類を見ないような固有の表現領域をもったブラームスのピアノ曲、バラードの世界は、強い表現力がなければもちろんダメだけれど、かといって、過度に主情的になりすぎてもかえって格好がつかなくなってしまう。
そうしたバランスをとるのが、なかなかに難しい。
その点、ここに聴くギレリスのピアノは、どこから見てもまさに万全といえよう。
各種の強い表現力を随所に示しながらも、ある一定の方向だけに偏ってしまったクセのようなものにはなっていない。すべてが的確に整っている。
まさに、真に力量のある芸術家が、大いなる余裕を保ちながら、もてるすべてを対象にぶつけようとして、立派にそれに成功したような再現といえよう。
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