2010年10月28日

C・デイヴィス&シュターツカペレ・ドレスデンのモーツァルト:後期交響曲集


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いぶし銀の輝きにみちた味わい深いモーツァルト。どの曲も古典美の極みの秀演だ。

シュターツカペレ・ドレスデンのいぶし銀の響きは相変わらず美しく、管弦のどのパートも突出せずに融合している。

デイヴィスの解釈も格調高く、優美で克明、堂々とした力感と風格をもった音楽である。

作品に対する謙虚な姿勢をもった無垢の表現といえよう。

第34番はデイヴィスとシュターツカペレ・ドレスデンの相性の良さを示す好演で、精確でありながらデリカシーに富み、入念・克明・緊密にまとめられている。

第28番には手作りの温かさがあり、第29番は澄みきった感覚美と軽快な動感を表している。

テンポの安定感も見事であり、いかにもデイヴィスらしいモーツァルトだ。

「ハフナー」は緻密なアンサンブルで堅固な造形感を打ち出しているが、決して造形の仕上げだけを優先した外面的な演奏ではなく、第1楽章から内心の共感を率直に表明し、生き生きとした音楽を作っている。

「リンツ」終楽章で、ふくよかな響きが自然な流動性を帯びて歌うのは、純粋な音楽美と形容するほかはない。

「プラハ」も従来のデイヴィスの秀演に勝るとも劣らない、格調高く誠実そのものの音楽である。

第39番は、冒頭から堂々と力強く、骨格の逞しい風格がある。

晴朗な美感におおわれた第2楽章、尖鋭を極めたリズム感と運動性にみちた終曲もすばらしい。

第40番も端正このうえない美しい表現だ。

「ジュピター」では、柔らかい弦に金管や木管が巧妙にブレンドされ、克明でありながら音楽が本当にスムーズに流れている。

スタッカート、ノン・レガート、レガートなどの区別がきちんと行き届いている。

伝統的なシンフォニー・コンサート様式による演奏として、第一級の出来映えだ。

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classicalmusic at 18:38コメント(2)モーツァルト | デイヴィス 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年06月26日 09:49
5 取り上げてくれて感激です。もう素晴らしいの一語に尽きるモーツアルトです。私はベルリンの壁崩壊以前のドレスデンシュターツカペレがウィーンフィルやベルリンフィル以上に大好きで, コリン デイビスもそのいぶし銀の響きを何とか保存したいと尽力したそうです。後期交響曲全てを聞いた訳ではありませんが, 29番, 39番そして41番に特に惹かれました。彼がバイエルン放送響と来日した際, 41番を聞かせてくれました。NHKFMで聞いただけですが, その風格を帯びた晴朗な響きに大いに感激しました。その他この指揮者はコンセルトヘボウ, BBC響, ロンドン響, ベルリンフィル等他のオーケストラとも相性が良く, 惜しいマエストロを失った悲哀を痛感します。
2. Posted by 和田   2020年06月26日 13:16
デイヴィスのモーツァルトは、何と言っても当時のシュターツカペレ・ドレスデンの有していた独特のいぶし銀とも言うべき音色と、それを十二分に体現しえた力量に最大の魅力があると言えるのではないでしょうか。
昨今のドイツ系のオーケストラも、国際化の波には勝てず、かつて顕著であったいわゆるジャーマン・サウンドが廃れつつあるとも言われています。
奏者の技量が最重要視される状況が続いており、なおかつベルリンの壁が崩壊し、東西の行き来が自由になった後、その流れが更に顕著になったと言えますが、それ故に、かつてのように、各オーケストラ固有の音色というもの、個性というものが失われつつあるとも言えるのではないでしょうか。
そのような中で、本盤のスタジオ録音がなされた1980年代のシュターツカペレ・ドレスデンには、現代のオーケストラには失われてしまった独特のいぶし銀の音色、まさに独特のジャーマン・サウンドが随所に息づいていると言えるでしょう。
こうしたオーケストラの音色や演奏において抗し難い魅力が存在しているのに加えて、デイヴィスの指揮は、奇を衒うことのない正統派のアプローチを示しているのが素晴らしいですね。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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