2010年11月14日
レヴァイン&ロンドン響のマーラー:交響曲第1&6番
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レヴァインがまだ30歳半ばにあった頃の録音である。
1970年代はレヴァイン飛躍の時代であり、マーラーを筆頭にブラームス、シューマンの交響曲全集などもリリース、すっかり時の人となった。
ことにマーラー録音では、レヴァインは過去の慣習やしがらみから作品を解き放ち、純粋に管弦楽曲、オーケストラ曲として見据えた解釈で聴き手を新しい感動に誘い、驚かせた。
ことにここに収められた2曲は色鮮やかで、健康的であり、眼前で展開されるパノラマのような音響世界が今なお画期的だ。
レヴァインは曲の本質を素手でつかみ、思い切り生々しく聴く者の心にぶつけてくる。
共感と自信にあふれきった傑作だ。
レヴァインのマーラーは、現代的なシャープな感覚美に貫かれており、分析的である反面、オーケストラをのびのびと歌わせ、強い推進力と躍動感をもって曲を進めていくので、ヒューマンなあたたかさがみなぎる。
この「巨人」と「悲劇的」もその例にもれず、かなりの自己主張をしているものの、音楽的には手作りの素朴さのようなものを残している。
いかにもアメリカ人らしい楽天性と解放感をもったマーラーで、演奏全体はまろやかな感触で水平によく流れ、特に抒情的な部分は極めて美しい。
やや楽天的かもしれないが、マーラー作品がもつオーケストラ音楽の王道としての魅力をこれほどまでに堂々と、しかも華麗に堪能させてくれる演奏は他にない。
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