2010年11月15日

C・デイヴィス&ボストン響のシベリウス:交響曲全集


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C・デイヴィスによる初のシベリウス交響曲全集。フィンランド・シベリウス・メダルや仏ADFディスク大賞など、多くの国際レコード賞を受賞した。

1970年代半ばにC・デイヴィス/ボストン交響楽団で完成した全集盤の演奏は、各声部の響き合いの見通しのよさを推し進めたもので、その切り離された孤独な響きと重厚なボストン響の力強さの相乗作用に現代作曲家シベリウスの姿が重なり感動的な演奏だ。

イギリスの指揮者にはシベリウスを得意とする才能が多いが、C・デイヴィスはその最右翼というべき存在であろう。

1970年代、首席客演指揮者の関係にあったボストン交響楽団との録音の代表格がこのシベリウスである。

作品を見据える視線が熱く、あたかも作品に引き寄せられるかのような息遣いにあふれた演奏が繰り広げられており、拡がる感動の環が聴き手を温かく包み込む。

まったく恣意的なところのない堅実無比な演奏で、作品が必要とする全ての要素を満たしている。

どの曲も見事な造形で仕上げられており、表情もまさに音楽的に正統的で、偏向した感じがない。

そして堂々とした力感の充実があり、歌の魅力も充分である。

若き日の力作では、あふれるばかりの情熱と気骨をみなぎらせた骨太の演奏が圧倒的だし、第4番以降に聴く孤独と寂寥感、そして豊かな幻想性と北欧的リリシズムに心奪われる。

ボストン交響楽団の深みのある響きも、たいそう魅力的だ。

風格をもち、ほの暗く重厚な響きで、作品の北欧的な雰囲気を描き出しており、音色的豊麗さも見事というしかない。

C・デイヴィスという指揮者の最良の姿を伝えてくれる盤であると同時に、シベリウスの交響曲の最良の在りかたを伝えてくれる名盤といえよう。

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classicalmusic at 18:46コメント(4)シベリウス | デイヴィス 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年07月14日 09:55
4 日本人にとってシベリウスは特別な存在。どうしてもあの清冽かつ憂愁な響きは聞きたくなる時があります。シベリウスを得意とするイギリスの指揮者と言えばまずバルビローリを想起しますが, C・デイヴィスの全集も優劣付けがたい秀演でしょう。レコ芸のレコードアカデミー賞を受賞した本全集はバルビローリがスローテンポで抒情性を強調しているのに対し, 確かに造形の整った堅実な展開を聞かせてくれます。録音は少し古めかしさを感じますが, 最も著名な2番は今でもC・デイヴィスのディスクが私にとってのベストワンです。良く知られた管弦楽曲がカップリングされているのもリスナーにとっては嬉しいでしょう。和田さんは何番がお好きですか。私は3, 5, 6番がベストスリーです。
2. Posted by 和田   2020年07月14日 13:05
私もシベリウスの「田園」と言える3、6番も大好きですが、やはり4番には筆舌を尽くしがたい滋味がありベストです。この自閉症的音楽を無性に聴きたくなることがあります。4楽章すべてすっと消え入るように終わるのもシベリウスが意識したものなのでしょう。よく言われるように無駄な音が一つもありません。それに続く5番は1楽章が森の夜明けのように始まるのでとっつきやすいと思いきや、途中晦渋になり、作曲者の心の葛藤を感じさせますが、コーダの爆発は最高傑作と言いたくなるような高揚感があります。3楽章の憂愁にも心惹かれますが、終わり方が個性的でどんどんハーモニーが薄くなっていくのは何とも言えません。
全集も沢山持ってますが、重い演奏は苦手で、デイヴィスは3度録音していますが、後になるほど重く、同じく3度録音したベルグルンドは逆に後になるほど室内楽的になります。一番取り出して聴くのはヴァンスカ、次にサラステです。
3. Posted by 小島晶二   2020年07月14日 21:10
追伸。4番を最高傑作と言うファンは結構おられ, 厭世的で沈潜した響きが独特だからでしょう。この頃シベリウスは喉頭がんの疑いが有り, 死を意識していたと言われています。私は余り好きではありませんが,今度じっくり聞いてみます。
4. Posted by 和田   2020年07月14日 23:01
ぜひじっくり聴いてみてください。特に第3楽章は暗黒の世界に引きずり込まれるような凄みがあります。シベリウスを聴く醍醐味ここにあり!です。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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