2013年07月22日
カラヤン&ベルリン・フィルのグリーグ:ペール・ギュント/シベリウス:管弦楽曲集(旧盤)
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カラヤンはベルリン・フィルとたびたびグリーグやシベリウスの管弦楽曲を録音したが、当盤はその最初のもの。
カラヤンは、グリーグやシベリウスといった北欧の音楽にも強い関心をもち、得意としていた。
《ペール・ギュント》は、細部まで精緻に磨き抜かれた美しい演奏で、北欧的な詩情や抒情性を丁寧に、しかし、あくまでしなやかに掬いとった巧みな語り口と劇的な表現の対比のうまさも、カラヤンならではのものである。
中でも〈オーゼの死〉や〈ソルヴェイグの歌〉〈イングリッドの嘆き〉などのしっとりと深い情感をたたえた表現は絶品である。
ベルリン・フィルもそうしたカラヤンの指揮に、しなやかな自発性にとんだ演奏で応えており、豊麗であるとともに、あくまで透明な弦の響きと管の名手たちのソロが織りなす色彩がなんとも美しい。
ドイツ語圏の指揮者には珍しく、1950年代からシベリウスの作品を録音していたカラヤンであるが、60年代半ばに録音された管弦楽曲の大半は、当初、交響曲や協奏曲のカップリング曲としてリリースされたものである。
そこでは、静謐な楽想をきめ細かく処理していく一方で、大音量で盛り上がっていく場面でもスマートなスタイルが保たれており、カラヤンの美学とシベリウスの書法が、絶妙な均衡を保ちながら、魅力的な世界を形づくっている。
深々とした響きが印象的な《フィンランディア》をはじめ、弦楽器の雄弁さが光る《悲しきワルツ》や、ゲルハルト・シュテンプニクが絶妙なソロを披露する《トゥオネラの白鳥》など、いずれも名演揃いである。
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