2010年11月18日

チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルのムソルグスキー/ラヴェル編:「展覧会の絵」&ラヴェル:「ボレロ」


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私はチェリビダッケのライヴに接したことはないが、多くの海賊盤を所有している。

私がなぜこれまでチェリビダッケの正規盤を採り上げてこなかったかというと、METEORやAUDIORなどのレーベルの海賊盤の方が、実際の生演奏の印象に近いと感じられるからである。

EMIやDGの正規盤は、デリケートなニュアンスにやや欠落が見られ、生前、チェリビダッケがあれだけ録音を嫌いつづけたわけも理解できるというもの。

けれどもディスクに収録された音楽だけといってもやはり傑出した演奏であることは間違いない。

こうして記録が残されたことに心から感謝したい。

チェリビダッケの初回の"公式リリース"のなかでも、このディスクはもっとも注目すべき録音の一つ。

《展覧会の絵》では、冒頭のプロムナードから、チェリならではの強烈な印象を与える。

でも、当初はその遅いテンポに戸惑いを覚えたとしても、この指揮者の精妙で懐の大きな世界にいったん馴染んでしまうと、その豊かさは他の人の演奏では決して体験できないものがある。

《ボレロ》は、小太鼓のpp(限りなくpppに近い)から始まって、ラストの終始にいたる18分11秒という間、聴き手は息をつくことすら許されない。

ぴんと張り詰めた緊張感がその比較的遅いテンポとともに指揮者の不屈の意志をもって堅持される。

その徹底ぶり! ボレロのリズムを軸として次々と様々な楽器を加えてゆく、その作業はあたかもスローモーション画像を見ているかのよう。

それらのすべてが克明で印象深く提示される。

この演奏はチェリビダッケの演奏の特徴の一つである、「繊細な段階づけをもつダイナミズムやオーケストラの響きの室内楽的明晰さと透明性」をはっきりと示している演奏もないだろう。

これもまた、チェリビダッケ伝説の記録の一つ。

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classicalmusic at 18:34コメント(2)ラヴェル | チェリビダッケ 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年07月17日 10:08
4 チェルビダッケ。このルーマニア生まれの指揮者は20世紀を代表するマエストロとして外すことは出来ないでしょうね。マーラー以外のドイツ音楽は勿論, フランス物やロシア物でも卓越した演奏を聴くことが出来るので, 日本にもファンは多い様です。この巨匠でまず挙げられるのがブルックナーで, 私にとってはシューリヒトやクナパーツブッシュと並んでヨッフムに次ぐ存在と言えます。でも晩年の極度のスローテンポには正直言って付いていけません。本ディスクではボレロは楽器のソロを活かした名演と評したいですが, 展覧会の絵はもっと切れ味が欲しいと感じました。彼のブルックナーは1980年代前期迄で, それ以降は最晩年のベームを聞く様で堪えられません。従って, 彼のブルックナーではミュンヘンフィルよりシュツットガルト響の演奏の方に愛着を感じます。
2. Posted by 和田   2020年07月17日 11:12
チェリビダッケがミュンヘンに赴く以前に首席客演指揮者を務め、その名を国際的なものとしたシュトゥットガルト放送交響楽団時代(1971-79年)に収録されたブルックナーの選集は、チェリビダッケという他に類のないユニークな個性の変遷をたどるうえでも重要なものといえるでしょう。
雄大なテンポで超宇宙的なブルックナーの世界が広がっていて、録音も非常に美しく透明な音の宇宙に浸りきれます。
チェリビダッケが心身ともに充実しきっている頃の録音だけに、後年のEMI正規録音とは異なる魅力があり、そのあまりにもテンポの遅いEMI盤を敬遠していた人には特にこちらのDG盤を好む人も多いのではないかと思われます。
朝比奈もそうでしたが、音楽が止まりそうなほどゆっくりした演奏は、いくら指揮者の意図があると言われても、小島さんのように生理的に受け付けない人もかなりいるはずです。
シュトゥットガルト盤は、まともなテンポでかつ、チェリビダッケの意図が十分感じられる非常に良い演奏と感じました。
無理に曲を盛り上げたりせず、フォルテも歌わせる箇所も楽器やホールを丁寧に鳴らしている感じです。
しかし抑制が効いているというのではなく、集中して気持ちがこもった演奏となっていて、とても充実しています。
晩年のミュンヘン時代とはひと味違った、躍動感と生命力あふれるチェリビダッケ壮年期のブルックナー演奏の魅力を堪能させてくれます。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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