2010年11月24日
カヤヌスのシベリウス:交響曲選集
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カヤヌスはシベリウスの親友で、生涯シベリウスの作品の紹介につとめた。
したがってカヤヌスの残した4曲の交響曲ほかは、作曲者直伝のもっとも正統的な解釈である。
むろんシベリウス在世中の空気を生々しく伝えた演奏といえる。
第1、第2、第3、そして第5を遺したカヤヌスの演奏のどれもが、シベリウスの交響曲を少しでも考えようとするなら絶対に聴かなくではならない録音だ。
途方もなく力強いが粗野ではない。格調高く美しく、真に英雄的な音楽。すべてはこれを踏まえてからの話だ。
基本テンポ設定、楽器の奏法などが現代のものと異なり、作曲当時の状況を髣髴とさせてくれる。
オケのメカニックもしまらない感じだが、たいへん音楽性の豊かな演奏。
メカニックが優れただけで姑息な新しい録音を聴くよりも、多くの発見がこの演奏には約束されているのである。
最初の2曲はたんに交響楽団としか記されていないが、実体はあとの曲と同じロンドン交響楽団である。
演奏はいずれも凄いほどの意欲と共感に貫かれている。
楽員も非常な熱意をもち、第1番を燃えたぎる灼熱の音楽としている。
第2番は端的な表情とラプソディックな趣を巧みに交錯させ、第3番では意外なほど強靭な力感、第5番では内面のロマンを堂々とあらわしている。
それぞれが作品の本質を衝いた名演である。
録音の状態が悪いのはどうしようもないが、シベリウスの演奏を楽しむうえで不可欠な録音であることは確か。
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