2010年11月30日
メニューイン&フルトヴェングラーのバルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番&無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
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メニューイン/フルトヴェングラーのコンビが残した名演の一つ。
現代音楽の録音がまるでないフルトヴェングラーだが、現代音楽の良き理解者であったことは意外に知られておらず、それにどうアプローチしているかを垣間見ることのできる演奏だ。
フルトヴェングラーの強い集中力は音楽に充実感をもたらし、メニューインも彼に触発されて意欲にあふれた演奏を展開している。
もっともバルトークの作品は古典的な均整ある構成を示しているため、料理はそれほど難しくはなかったのだろう。
フルトヴェングラー特有の有機的な展開がみごとにきまり、緊張をはらんだピアニッシモと、迫力ある豪快なフォルティッシモとのダイナミックな対比はすべてツボにはまり、どこを切っても血の吹き出るはち切れんばかりの活力に満ちている。
メニューインのソロも一音たりとも弛緩することなく、張りのあるフレージングでオーケストラと対等に拮抗し、指揮者とともに、聴き手を興奮のるつぼに引き込む。
アメリカではフルトヴェングラーを戦犯扱いにしていたころ、いち早く門戸解放したのがイギリスである。
敢然と不遇なフルトヴェングラーを擁護したメニューインの気魄は衰えを見せず、両者の共感が聴き手を感動させずにはおかない。
モノながら、この当時のフィルハーモニアは名人揃いで老巨匠のタクトに鋭敏な反応を示している。
気迫と人間味にあふれ、今もって色褪せぬ演奏だ。
無伴奏ヴァイオリン・ソナタは、作曲者をして、「私の死後も、作品はあなたのようにしか演奏されないだろう」と唸らせた、メニューインの名演である。
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