2010年12月02日

ブロムシュテットのヒンデミット:管弦楽作品集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ブロムシュテットが、サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に迎えられた時、その顔合わせによる最初のレコーディングにヒンデミットの作品を選んだということはきわめて興味深い。

1995年の生誕100年を通じてその存在が再認識されたとはいえ、ヒンデミットの音楽は、一般的にいってわが国では、まだまだ充分に評価され、認められているとはいえない。

それでも、いくつかの作品については眼が向けられてきたが、オーケストラ作品の中で最も親しみやすいのは、やはり《ウェーバーの主題による交響的変容》であろう。

それは、彼がいわば"おもしろい音楽"を書いた時期に属するが、ブロムシュテットもそれを親しく聴かせてくれる。

サンフランシスコのオーケストラが、完全に磨き上げられ、ソロイスティックな面とアンサンブルが、ほどよいバランスと明快さをもって、密度の高い構成感とともに好演を生み出しているのである。

明るく楽しい面での技巧性という意味では、ブロムシュテットの新しいヒンデミット解釈の特徴があると感じられる。

ヒンデミットの録音を積極的に行っているコンビであるが、《画家マチス》の柔らかく繊細で、感受性に富んだ演奏には特筆に値する新鮮さが感じられる。

ブロムシュテットならではの解釈であり、サンフランシスコ響ならではの響きだ。

ふくよかな弦の響きを生かしながら、管の潤色を充分に施した第1楽章から出色の出来ばえである。

繊細な弦が絡む第2楽章も素敵だ。

ぐっとスケール感と重量感の増す第3楽章の扱いも見事で、息も長くたっぷりと歌われる旋律は、ヒンデミットが決して一介の無味乾燥な即物主義者にとどまらなかった事実を裏づけているようで興味深い。

そうした特徴は《葬送音楽》でさらに内容的な深まりを示している。

それに続き、中でも最も聴き応えのあるものは《いとも気高き幻想》などである。

オーケストラのアンサンブルはよく整えられており、独特の対位法的な書法も線的に描き出すと同時に、音楽の構成上の均衡や一つの抒情的要素も生かしながら、3つの楽章をじっくり聴かせてくれる。

終曲のパッサカリアの構成的な運びは、とくに魅力的である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 18:32コメント(0)ブロムシュテット  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ