2010年12月04日
小澤のメンデルスゾーン:劇音楽「真夏の夜の夢」
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吉永小百合のナレーション付き。その台本は松本隆。小澤征爾のこの曲の初録音。言わば日本向けのレコーディングである。
全曲を一応はカヴァーしているが小さな省略も少なくない。
小澤征爾の指揮は、繊細にして緻密、しかもインスピレーションあふれる音の輝きがあり、およそ解釈といったものを超越した心ときめかせる世界がつくり出されている。
小澤は冒頭の序曲からずいぶんとシンフォニックにボストン交響楽団を鳴らし堂々と曲を進めるが、その中にも繊細な色彩感を漂わせたみずみずしい空気感もある。
小澤征爾が小澤のメンデルスゾーンを演奏しているのだが、それがドイツ・ロマン主義音楽に対するこの指揮者の解釈が引き出したものということで聴くと、そこには日本人の耳に心地よい、舌触りの良い甘美さを味わうことができる。
ビロードにも似たボストン交響楽団の深いサウンドも素晴らしく、しばし幻想の夢に酔う思いだ。
そして何よりもこの全曲盤の最大の魅力は、ナレーションに女優の吉永小百合が起用されていることに尽きるであろう。
彼女のナレーションは、時に音楽以上に美しく、また豊かな表現力で、幻想の物語へと聴き手を招き入れる。
作家松本隆による日本語の台本も、表現としてとても自然であり、垣根を感じることなく作品の世界に遊ばせてくれる。
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