2010年12月05日
スウィトナー&シュターツカペレ・ベルリンのウェーバー:序曲集
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
スウィトナー時代のシュターツカペレ・ベルリンの代表的名盤。
自然で、柔らかな表情をたたえたウェーバーで、随所でオーケストラ・ピットで培われた劇場的な雰囲気がいかされている。
なのに、このCDが目下廃盤の憂き目にあいそうなのは、定番の《魔弾の射手》や《オイリアンテ》が入っておらず、5曲のうちポピュラーなのは《オベロン》のみという事情があるのかもしれない。
しかし筆者に言わせればそれでも魅力は十分。
1曲目の《オベロン》の夢のような美しさにうっとりとさせられれば、もうそのまま最後まで聴かずにはいられなくなる。
音楽の自然な流れを大切にし、しかも卓抜な演出力の持ち主でもあるスウィトナーの特質が遺憾なく発揮されている。
スウィトナーの指揮はおよそぼってりとしたところのない、清潔で引き締まったタッチで一貫している。
それでいてどの序曲のどのページも柔らかくデリケートな表情に満ちており、それがいきいきとオペラないし劇の気分をリスニングルームいっぱいに醸し出す。
最も見事なのは《精霊の王》で、緩急と起伏を大きくつけながら、ドイツ的なコクのある音楽を作り上げている。
《オベロン》での序奏部分のファンタスティックな雰囲気の描き方が巧妙で、主部に入ってからの闊達な表情との対比も鮮やかだ。
シュターツカペレ・ベルリンも素晴らしい出来で、抜群の底力を発揮している。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。