2010年12月06日

ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルのシベリウス:交響曲第3番


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1963年、ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルによる、シベリウス:交響曲第3番の旧ソ連における初演のライヴ録音である。

ムラヴィンスキーならではの、巨匠の至芸だ。

意志の力が強く、人間的であり、立体的で彫りの深い音のすべてに指揮者の魂が刻印されている。

それでいて、シベリウスの本質を逸脱していないのはさすがだが、金管の強奏がいささかロシアくさいのは致し方ない。

かつて柴田南雄氏が、自著で「ムラヴィンスキーには、ロシアのシンフォニックな語法しか操れないのだろうか」と批判されているが、私はこの見方には断固反対だ。

ムラヴィンスキーほど、ロシアのシンフォニックな語法だけに収まらない大演奏家はいないからである。

それでなければ、あんなに素敵なモーツァルトやベートーヴェンを演奏できるはずがない。

シベリウス演奏には、ブルックナーと似た厳しさがあるが、実際、ここに鳴っているシベリウスの純粋さ、透徹した厳しさは、まったく孤高の存在である。

俗世を顧みず、ひたすら透明な美を追究する姿勢は、ムラヴィンスキーとシベリウスに共通するものであり、なんの齟齬もない。

なお、このCDにはオリジナルのモノーラル録音とボーナストラックに疑似ステレオ化バージョンが収録されているが、断然後者の方が音質が鮮明で、この演奏の真価をよく伝えている。

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classicalmusic at 18:33コメント(2)シベリウス | ムラヴィンスキー 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年08月04日 10:18
4 ムラヴィンスキー。この人も20世紀を代表する巨匠として絶対外せないでしょう。おっしゃる通り,彼はチャイコフスキーとショスタコービッチだけの指揮者ではありません。モーツアルトの39番やベートーヴェンの4番, ブルックナーの7番等の透徹した響きは彼独自のものです。そこにはレニングラードフィルという技術的に屈指のオーケストラが存在したことも大きな要因でしょう。シベリウスに直接会ったことが有る彼の演奏は他の指揮者では味わえない厳格さが有ります。音楽が絶対甘くならない様に, とにかく妥協が有りません。でも1963年録音なのに, 録音は最悪。疑似ステレオ盤は聞いたことが有りませんが, 厳しさ故にアップテンポになってしまうのもこの曲の大ファンとしては物足りなさを感じます。
ところで第100回のザルツブルグ音楽祭が始まりました。第1回が第一次世界大戦とスペイン風邪を乗り越えた和平のシンボルとして開催されたので,コロナ禍位では中止は出来なかったでしょう。でも公演は半分になりオペラを中心としているので,和田さんは心待ちにしていることでしょう。バレンボイムやアルゲリッチといった常連に加え, イゴールレヴィットがベートーヴェンのピアノソナタ全曲を演奏するそうです。ロシア生まれドイツ育ちの若き天才のベートーヴェンは月光しか聞いたことが有りませんが, 実力は如何程でしょうか。でも幾ら天才でも全曲は無理だと思います。以前クーベリックが音楽祭でブルックナーの8番とマーラーの9番を演奏しますと言ったら, 話を聞いていたワルターはそんなことをしたら体を壊すから止めなさいと返したことを思い出しました。クーベリックも後日ワルターの助言は正しかったと述懐していました。
2. Posted by 和田   2020年08月04日 12:09
今年の夏はほとんどの音楽祭が中止または延期になってしまいましたが、ザルツブルグ音楽祭は規模縮小ながらなんとか中止を免れ、記念すべき100回目の音楽祭が8月1日から開幕しました。
本来なら24万枚のチケットは7万6千枚に縮小され十分に間隔を取った客席で、座席に着くまではマスク着用必須という条件の下の公演です。普段の音楽祭なら人気の高い開幕講演や出演者のトークショーなどのイベントは皆中止、コンサートも休憩無しでビュッフェも無し。チケットは記名されていて身分証明書の提示が必要。
オーストリアもここ数日新規感染者が増えていますが、それでも1日当たり100人から200人の規模に抑えています。クラシックの演奏会やオペラはお客さんの年齢層が高く、ロックコンサートのように立ち上がって踊ったりすることは無いのでルールを守れば感染のリスクはそれほど大きくないような気がしますが、万が一集団感染が発生したら秋からの新シーズンにも影響が大きいので、とても慎重に運営しているようです。それゆえ、夏の音楽祭の華やかな雰囲気は少なそうです。100回目の音楽祭という記念イベントですし、コロナ危機下でも文化芸術の火を消さないという心意気を示す音楽祭と言えます。お客さんも例年のように有名人を目的にしたセレブではなく、音楽祭を支えるコアな人が多いのではないかと想像しています。
オープニングはリヒャルト・シュトラウスの「エレクトラ」で会場のフェルゼンライトシューレの客席は1400人の定員に対して890人に制限されました。オーストリアでは出演者にはソーシャル・ディスタンシング・ルールが適応されないので、オーケストラも通常通りですし舞台上の演出も問題なし。音楽祭はコロナウィルスのテストを行う研究所と契約していて、歌手、合唱団、オーケストラをまとめて検査し数時間で判定できるのだそうです。

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Profile

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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