2010年12月11日
ミュンシュ&パリ管のオネゲル:交響曲第2番&ラヴェル:ピアノ協奏曲
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ミュンシュがアメリカで客死する直前、創設当初のパリ管弦楽団と入れた録音に、十八番のオネゲル:交響曲第2番が含まれたのは幸いだ。
ブラームス「第1」が神格化され、ベルリオーズ「幻想交響曲」、ラヴェルの作品集が高い評価を受ける中、この演奏にスポットが当たることは少ないが、忘れてはならない演奏である。
指揮ぶりはたいへん率直で力にあふれたものだが、それにパリ管が軽妙な味を添えてゆく。
ミュンシュはオネガルのよき理解者で、第2次大戦前からその作品を演奏、録音している。
2人の精神に共通項が多かったからであろうが、オネゲルがよりペシミスティックであったとすれば、ミュンシュはよりオプティミスティックであった。
第2次大戦の暗い影を反映した第2交響曲で、ミュンシュはむしろ男性的な演奏を聴かせる。
それも悲痛な感情を深く掘り下げるが、根底には救いを感じさせる。
第1楽章で反復される不吉な音型が息の長い旋律と結びつく時はその例であろう。
第2楽章の憂鬱な表情なども素晴らしい。
それだけに最後のトランペットのコラール風の旋律が、いっそうの存在感を発揮している。
パリ管の弦が美しく、しかも量感に富んだ響きもミュンシュの解釈にふさわしい。
同じく最晩年のミュンシュがパリ管を指揮した数少ない録音のひとつであるラヴェルのピアノ協奏曲は、ピアノよりもミュンシュと彼が指揮するパリ管に大きな聴きどころのある演奏であるが、ここに聴くパリ管のバックアップは、とにかく素晴らしいものだ。
結成直後のパリ管は、当時のフランスを代表する管楽器奏者たちがその首席に名を連ねていたが、管楽器のヴィルトゥオーゾ的なソロが多くの華やかな名場面を形成しているこの作品は、彼らに名人芸の開陳の絶好の場を提供しており、それは、この演奏ならではの面白さにもなっているのである。
アンリオ=シュヴァイツァーのソロは、ラヴェルとしては少し甘すぎるきらいもあるが、悪くない出来を示している。
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