2010年12月09日

リヒテル&ボロディンSQ団員ほかのシューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」


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ヘヴィ級の魅力をもった《ます》の演奏であるが、愉しさの点でも第一級だ。

同曲はリヒテル初録音で、ライヴならではの緊迫感がすこぶる快い。

メンバーの名前からは、スラヴ的な重々しい音楽を予想していたのに、聴こえてきたのはウィーン風なポルタメントを少しだけ生かした、じつに軽快で闊達な《ます》だった。

それほど単純にいえるようなことではないが、《ます》の五重奏曲の演奏で、やはり第一にその成否を左右するのがピアニストであることは事実であろう。

もちろん、ソロイスティックな魅力とアンサンブルに寄り添っていくような感性が、そこでは求められるであろうし、何といっても音の美しさが絶対に欲しいということになると、やはりその名は絞られてくる。

それゆえ、聴き手の関心の中心になるのはもちろんリヒテルの演奏で、彼が弾き出す美音は心に深くしみいってくる。

聴衆を前にしたリヒテルが、気持ちを静かに燃やしているのが感じとれる演奏といったらよいだろうか。

リヒテルとボロディンSQのメンバーらによる1980年のライヴがつねに名盤の一つとして挙げられるのは、当然の結果であったかもしれない。

ここではピアノのリヒテル、ボロディンSQともに力強い語り口で、しかも表現力はたいそう濃い。

ナイーヴでシャイなシューベルトでは全然ないけれど、なおかつ他を圧倒するような存在感を示している。

ともかくピアノの美しさが必要なだけ際立っているのは確かであるし、品位と風格がインティメートな結びつきの中にもある。

ボロディンSQの3人とヘルトナーゲルの誠実かつ真摯な演奏ぶりが楽趣を高めているのも忘れてはならない。

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classicalmusic at 18:36コメント(4)シューベルト | リヒテル 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年08月07日 10:08
4 シューベルトの鱒には名盤が多く, ファンはどの盤にしようか迷う事でしょう。リヒテル&ボロディンSQの演奏はその中でも力強い語り口と風格を備えた名演である事はその通りだと思います。流石レコードアカデミー賞受賞盤だけはあります。でも私はこの曲に関してはしなやかでサロン的な演奏の方が好きです。ギレリス+アマデウスSQ, パネンカ+スメタナSQ, ブレンデル+メロスSQ, アックス+ヨーヨーマ他等の中から最終的に私はアックス+ヨーヨーマ盤を選びました。はつらつとした若さに惹かれ, カップリング曲も良い出来栄えでした。
ところで日付けを見ると本解説はおよそ10年前の記事でしょうか。10年も経てば嗜好も変わってくるのではないですか。でもそうでもしないと毎日記事は書けませんよね。お疲れ様。
2. Posted by 和田   2020年08月07日 11:57
確かに10年前の記事ですが、その当時の正直な心境にもう一度スポットを当てて読んでいただきたいということもあります。確かに嗜好は変わりました。重い曲、重い演奏が苦手になりました。本曲で言えば、パネンカ&スメタナSQが好みです。
現在数十種にのぼる所有のモーツァルト『魔笛』を聴き込んでいます。このオペラが現在の私にぴったりきます。後期交響曲で小島さんが高く評価なされていたデイヴィス&ドレスデン国立歌劇場盤ももちろん持っていますが、並み居る強豪の中ベストは意外にもサヴァリッシュ&バイエルン国立歌劇場盤です。
3. Posted by 小島晶二   2020年08月07日 22:30
追伸。成る程。私もまさしく購入当時気に入ったアックス+ヨーヨーマ盤は最近テンポが速く抒情性にやや欠けると思うようになり, パネンカ&スメタナSQ盤に回帰しつつあります。以前申し上げた様に, パネンカのピアノが素晴らしい。サヴァリッシュのモーツアルトは一部のファンに大いに評価されている様です。私は未聴ですが, バイエルン放送響との35, 41番のディスクとウィーンフィルとの39番のライブ盤が高評価と聞いています。カラヤンがライバル視していただけのことはある巨匠と言えるでしょう。シューベルト, メンデルスゾーンそしてシューマン等ロマン派の音楽を得意としていた彼も年齢を重ねてモーツアルトに達したと言えるのではないでしょうか。
4. Posted by 和田   2020年08月07日 22:46
最近は演奏者が何もしない(何の作為も恣意もない)演奏を好んで聴くようになりました。パネンカやサヴァリッシュなどまさにそのような存在で、地味かもしれませんが、1度聴いて感激、2度聴いてウンザリとなる経験を何度もするうちにそう思うようになりました。指揮者フリッツ・ブッシュが「牛車のように動かない」と評したシュターツカペレ・ドレスデンは旧東独ということもあり、ディスクに名を連ねる指揮者は比較的地味な存在ですが、何もせずオケの自発性を生かしたスウィトナーのモーツァルトやデイヴィスのベートーヴェン、サヴァリッシュのシューマン、ザンデルリンクのブラームスなどのドイツ物は何度聴いても飽きが来ない本物の音楽だと思います。そういえば最近フルトヴェングラーをめっきり聴けなくなりました。蛇足ですが、フランス音楽は聴いた後に何も残りません。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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