2011年01月20日
ヘレヴェッヘのシェーンベルク:月に憑かれたピエロ
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冒頭から、切り込みの鋭さ、果敢な音楽への取り組みが耳をとらえて放さない、若々しくユニークで鮮烈な演奏である。
代表作ゆえ名演も多いが、シェーンベルク自身があまり明瞭にしなかったシュプレヒシュティンメの実際のとらえ方は、歌手(指揮者)によってまちまちである。
プスールは暗めの声で、作品のグロテスクな陰の部分を克明に描いているが、それはシェーンベルクが指示した音程をある程度自由に解釈することによっても助長されている。
ブーレーズ2度目の録音で、ミントンがシュプレヒシュティンメの音程をかなり忠実に守った、ある意味模範的なものと聴き比べると、その違いがよく分かる。
もちろん、まったく自由というわけではないが、きわめて強い表出が要求される箇所では、大幅に逸脱することもいとわない。
第7曲「病める月」でのささやくようなアプローチも、そして同曲最後の震えるような声の扱いも、背筋が寒くなるような世界を描出するのに成功している。
バロック音楽の清新な指揮で登場したヘレヴェッヘであるが、この録音で20世紀音楽での力量もなみなみならぬものであることを証明した。
淀みながらも決して濁ることなく、冷たく、かつ青白く燃える炎のような音響を録音が見事にとらえている。
作品が再び成立時の緊張を取り戻したかのような感触には独特のものがある。
ヘレヴェッヘとは正反対のアプローチとして、繊細で美観に溢れたシェーンベルクが聴きたくなったら、ブーレーズ盤を手にしてみるのも悪くない。
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