2011年03月07日
バーンスタイン&ウィーン・フィルのシベリウス:交響曲第5番&第7番
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
ウィーン・フィルという豊麗極まりない音を生み出す名器を手にしたバーンスタインが、シベリウスの音楽の新しい魅力を教えてくれる。
新録音でのバーンスタインは、ウィーン・フィルの自発性に任せて、のびのびとした音楽をつくっている。
バーンスタイン自身がウィーン・フィルの美音を味わい楽しんで指揮しているのが目に浮かぶようだ。
それでいて全編が「バーンスタイン節」で貫かれている。
バーンスタインの指揮は、第5番の牧歌的なホルンと木管の音色が美しく、この曲によく合っており、ホルンと木管による印象的な出だしから素敵だ。
あらゆる音が彼の巨大な音楽性を通過することによって生命を帯びるのだ。
シベリウスの個性的なオーケストレーションが生む神秘的とも言える美しさを見事に表現している。
北欧的な民族色を抜け出した洗練された響きがこの作品の交響曲としての価値を不滅のものしている。
甘美なロマン主義ではなく現代的都会的な感覚に強く訴える。
バーンスタインの第7番は、非常に美しく、作品に対する愛情が悲痛なまでに伝わってくる。
第7番は正直言ってどうも得体の知れない作品だが、バーンスタインの手にかかると見事なまでに有機的な関連が示される。
そして調性を信じながら20世紀を生きたシベリウスとバーンスタインの最後の叫びを聴くようだ。
バーンスタインはこの曲で調性音楽の痛みを甘受しようとしていたと言えるのではないだろうか。
作曲家への強い共感に支えられたシベリウスであり、バーンスタインが鋭く豊かな感受性の持ち主であったことを如実に感じさせる演奏だ。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。