2010年12月23日
マゼールのヴェルディ:アイーダ
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ミラノ・スカラ座の1985~86年のシーズンのオープニングに上演された際に、ほぼ同じ顔ぶれでスタジオ録音されたもの。
久しぶりに《アイーダ》の真価を存分に堪能させてくれる名演だ。
劇としての醍醐味と歌手陣の均衡、オケの充実が聴きものになっている。
まず、イタリア屈指のアイーダ歌い、キアーラが素晴らしい。
単に声の威力にまかせた歌の誇示ではなく、聴き手を優しく包み込んでしまう独特の魅力は、フレーニを除いては他に比肩するものを見出すのが難しい。
このキアーラと多彩な表現力をもつディミトローヴァという充実の女声陣に、ラダメスの名唱を聴かせるパヴァロッティ、ヌッチ、ブルチュラーゼ、ローニというベスト・メンバーによる熱演を、マゼールは、意欲あふれる指揮ぶりで、見事に統率し、悲劇的緊張と気迫にみちた、密度の高い音楽ドラマを生み出している。
歌手陣もマゼールの棒によく応えており、愛と憎しみが織りなすドラマを、オケと人声が一体となって浮かびあがらせている。
とくにパヴァロッティのラダメスの端正な歌いぶりは風格のある堂々としたものだ。
全体の聴き応えの点で先ず特筆すべきものであろうが、これほど充実した《アイーダ》はめったに聴けない。
いろいろな意味で《アイーダ》の演奏にはそれぞれの時代のイタリア・オペラ界の総力が結集されるとすれば、これは1980年代と90年代を代表する《アイーダ》と言ってよい。
キアーラのアイーダもまさにそれ。ディミトローヴァの両声具有的アムネリスもいい。
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