2011年01月07日

ムター&プレヴィンのシベリウス:ヴァイオリン協奏曲


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ムターのシベリウスはきわめて濃厚な表現で妖艶とも言える演奏である。

これは彼女が自らの演奏スタイルを切り開き新たな地平を見いだしたころの演奏で、実に能動的でドラマティックな仕上がりである。

ムターのネメつけるごとく噴き出す情のコワさと作品が内包する"女の肉体性"のようなものが共振して、なにやらたじろいでしまうほど激しく濃く情緒に絡みついて迫りくるシベリウス。

この曲の大自然の美しさや人々の純粋なエネルギーといった要素をさらに豊かに脚色し、あたかもドイツ後期ロマン派のような深い抒情的世界をつくりだしている。

多くの人が聴き慣れている曲の、コンサートで大拍手を受けるタイプの演奏とはまさに正反対のところにあるのがこれだ。

力を入れちゃいけない、泣いちゃいけない、というムターのヴァイオリンは、あくまで美しく、時には冷たい。

それだけじゃなくプレヴィン指揮のオーケストラがムターの方向をさらに先へと進ませようとしているんじゃないか、と思えるくらい。

つまり意欲とか覇気がない。

でも、聴いているうちに、聴き慣れたシベリウスでなく、こちらのシベリウスのほうがずっと自然な美しさを持っているんじゃないかという気になってくる。

シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、落ち着いて味わうべき曲である。

興奮せず、静かに聴く音楽の良さもある。

プレヴィンの没入しないエモーションも情景として就かず離れぬ肉声のモノローグ。

ドレスデン国立管のやや湿った響きもムターの演奏には最適である。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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