2011年01月12日

ポリーニ&クレツキのショパン:ピアノ協奏曲第1番


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これはポリーニが18歳で1960年のショパン・コンクールに優勝した直後のデビュー録音盤。

ポリーニならではの流麗なテクニックと卓越した音楽性を基盤にしたショパンである。

特別な解釈は施さず、終始しっとりとデリケートに運んでおり、力みは一切みられないが、協奏曲ともなればもうひとつの輝かしさが欲しい気もする。

クレツキの指揮は素晴らしい。

ロマンティックな情感を前面に出しており、スムーズな緩急と有機的な響きが見事だ。

特に第2楽章冒頭の雰囲気の豊かさは類例がない。

1980年代から今日に至るまでののポリーニは、すごいピアニストだとは思うけれど、いくぶん"悩める巨人"という趣がないでもない。

もちろん、芸術家によっては大いに悩むことによって生産性を増すというタイプもいるわけだけれど、ことポリーニに関しては、あまり悩みとかかわりあっていない頃のほうがよい。

少なくとも、私にとってはデビューした当時の彼の音楽性に、より魅力を感じる。

ここに聴くフレッシュな発想、直截で、屈託のないひびき、ストレートな表現力は、いま聴いても若々しい矜持があふれている。

この録音は若いポリーニがいかに完成されていたかを実証する記念碑的な演奏である。

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classicalmusic at 18:37コメント(2)ショパン | ポリーニ 

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2020年09月09日 09:09
4 今ここにいる審査員の中で彼より巧く弾ける者はいないとルビンシュタインを感嘆させたショパンコンクール当時のポリーニは確かに鮮やかな切れ味が素晴らしく, この協奏曲もそうした彼の良さが出ているディスクだと思います。クレツキの重厚さとしなやかさを兼ね備えたバックも秀逸です。私は10年もの活動休止を経て出された練習曲集には度肝を抜かれ, とてつもないピアニストが出現したとの思いを強くした次第です。それからはショパンは勿論, シューベルト, シューマン,ブラームスに至るまでポリーニの名は私の中で不動になりました。しかし, 彼がベートーヴェンのソナタへ進むにつれてその思いは次第に薄れ, 指揮をするようになってからはさらにポリーニ離れに拍車がかかりました。今となっては殆ど彼のディスクを聞くことは有りません。私が歳を取ったせいも有りますが, 技巧に優れる余りゆったりと音楽に身を浸すことが出来ないピアニストだと思うようになったからです。残念。
2. Posted by 和田   2020年09月09日 14:52
当盤は今なお優秀盤として高く評価されていますが、この一事をもってしても、ポリーニの才能が群を抜いて高いものであったことがわかります。それほどの彼が、コンクールから10年間も、いっそうの研鑽を積むため公開演奏の場に姿を見せていません。沈黙の10年間にポリーニはその技巧と音楽を磨き上げたのです。ここでのポリーニは、18歳にして既に完成されたピアニストであることを示しています。作品に対する姿勢は理性的で、曖昧さを嫌い、納得のいくまで分析、その結果を音にします。音は硬質で、明快、ここでもまた、曖昧さは完全に排除されています。押さえがたい迸るような情熱に溢れていながら、ある意味での知的な冷徹さを併せ持った、その余りにも清冽な表現はショパンの音楽のひとつの究極の姿ではないでしょうか。確かにこの演奏は若き日のポリーニにしか聴くことのできないものですが、彼のその後の演奏を支配することになる、一音一音を徹底して粒立たせるメカニズムを駆使しながら歌いこんでいく奏法を既に会得していたことも理解できます。ショパン弾きの彼がこの曲に二度と取り組まない理由は、おそらく彼自身これ以上納得のいく演奏ができないからかも知れません。まさに一期一会が産み出した歴史的な名演です。本文でも述べましたが、1980年代以降のポリーニは、凄いピアニストだとは思いますが、いくぶん倏困瓩覽霓有瓩箸い趣が無きにしも非ずです。勿論、芸術家によっては大いに悩むことによって生産性を増すというタイプもいるわけですが、ことポリーニに関しては、あまり悩みと関わり合っていない頃のほうがよいです。少なくとも私にとってはデビューした当時の彼の音楽性に、より魅力を感じます。ここに聴くフレッシュな発想、直截で、屈託のない響き、ストレートな表現力などは、今聴いても若々しい矜持が溢れています。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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